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2020年7月20日(月)

新型コロナ危機―どうとらえ、どうたたかうか

明るい希望 共有が大事 志位委員長が「Cゼミ」

千葉・船橋

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(写真)質問に答える志位和夫委員長=18日、千葉県船橋市

 日本共産党の志位和夫委員長を講師に迎え、青年・学生の関心で多彩なテーマを学ぶ講座「船橋社会科学ゼミナール」(略称・Cゼミ)が18日夜、千葉県船橋市で開かれました。第2回は「『ポストコロナ』――日本と世界のあり方を考える」。志位氏は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を通じて明らかになった日本と世界の問題を縦横に語り、「たたかってこそ、新しい未来をつくることができる」と強調しました。

二つの大事な点

 志位氏は、新型コロナのパンデミックに「どういう姿勢でこの困難に立ち向かうか」として、二つ大事な点があると述べました。

 一つは、新型コロナから国民の命とくらしを守り抜くために知恵と力を尽くすことです。志位氏は、政府は感染拡大を抑えるまともな対策を何一つしていないと批判し、PCR検査の戦略的拡大と、徹底した補償と一体で業種・地域を限定しての休業要請が必要だと強調しました。

 もう一つは、今回の事態を科学の立場でとらえて、どういう日本と世界をつくるかという展望を持つことです。志位氏は、「いま起こっているのはパンデミックですから、日本だけの視野だけでなく、世界の視野で問題をとらえ、展望を見いだすことが大切です」と述べ、第28回党大会で改定した綱領を力にしたいと語りました。

 その上で志位氏は、党創立98周年の記念講演を基本に、(1)新自由主義の破綻とそれに代わる社会(2)資本主義という体制そのものが問われている(3)人類史のなかでパンデミックを考える―について、丁寧に語りました。

 この中で志位氏は、コロナ危機克服後の日本にむけた七つの提案について、「一つひとつは当たり前の願いだと思います。ただ、どれ一つとっても自民党の政治を変えないとできません」と述べました。

 また14世紀に流行したペストを一つの契機に農奴制が没落した経過を詳しく紹介した上で、「たたかってこそ、希望がもてる未来をつくることができる」と強調しました。

ジェンダー平等

 質疑応答で、青年から、コロナ危機でのジェンダー問題についての質問が。志位氏は、七つの提案に「ジェンダー平等社会をつくる」を盛り込んだことを紹介し、「医療・介護・障害福祉・保育などケア労働を担っているのは女性が多い。ところが労働条件は劣悪です。同時に、全国一律休校で子どもが学校に行けず、多くの場合、家庭でのケアという点で女性にそのしわよせが強いられた。二重に犠牲を強いられることになりました」として、ジェンダー平等の重要性が浮き彫りになったと指摘しました。

 また一律10万円給付の受け取り人とされた「世帯主」の規定について、記念講演で廃止を主張したことを紹介し、「日本国憲法の理念に反するだけでなく、根拠法となる住民基本台帳法に『世帯主』の定義がありません。事務処理要綱に『世帯を主宰する者』と書かれている。『世帯を主宰』とは意味不明ですね。これは廃止するしかないのではないでしょうか」と話すと、拍手が起きました。

 また、「友人が今年就職し、1人暮らしをしていたが、つながりがたたれて『つらい』と実家に戻ってきました。どう声をかけたらいいか…」と悩みが語られました。志位氏は「とても大事な問題です。人間は、お互いに顔を突き合わせて話をし、食事をするなどの社会性を培う中で発展してきました。どんな状況のもとでも、オンラインなども活用して、つながりを維持し、豊かにすることが大事だと思います」と述べました。同時に、記念講演に「毎日コロナのニュースで憂うつになったのが、この話を聞いて明るい気持ちになった」という感想も寄せられたと紹介。「いま起こっていることを、科学の立場でとらえて、コロナを乗り越えた先に、明るい希望がある、それを共有していくことも大事ではないでしょうか」と語りました。


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