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2020年5月27日(水)

黒川氏「訓告」過程ただす 衆参法務委

 日本共産党の藤野保史衆院議員と山添拓参院議員は26日の衆参両院の法務委員会で、賭けマージャンで辞職した黒川弘務前東京高検検事長に対する「訓告」処分を決めた過程についてただしました。藤野、山添両氏の追及に対し森雅子法相はまともに答えられず、黒川氏の処分判断の責任を法務省・検察庁に押し付けようとする安倍晋三首相の答弁の虚偽がいっそう浮き彫りになりました。

懲戒判断 内閣しかできぬ

衆院 藤野氏が追及

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(写真)質問する藤野保史議員=26日、衆院法務委

 黒川氏の処分が懲戒処分より軽い「訓告」にとどまった点について、安倍首相は「検事総長が諸般の事情を考慮し処分を行った」(22日)などと述べ、責任を丸投げしようとしています。

 これに対し藤野氏は、国家公務員法84条では、「懲戒処分は任命権者がこれを行う」と規定していると指摘。検察庁法15条では、検事長の任命権者は「内閣」としており、「検事長を懲戒処分にするかどうかの判断は、検事総長の権限でも、法務大臣の権限でもない。法務省や検事総長が懲戒処分にしないと判断したのならば、法律に反することになる」とただしました。

 森法相は「私が意見を報告し、内閣から異論がない旨の回答を得ている」などとごまかすばかり。藤野氏が「懲戒処分にするかどうかという重い判断は任命権者である内閣でなければできない。(内閣と)別のところで決めて、(内閣が)了承するなどという仕組みにはなっていない」と指摘すると、森法相は答弁に立てなくなりました。

 藤野氏は「今回の黒川氏の処分を誰が決めたのかという核心部分を明らかにする必要がある」として、予算委員会で安倍首相出席の集中審議を行うよう求めました。

恣意的人事 繰り返される

参院 山添氏が批判

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(写真)質問する山添拓議員=26日、参院法務委

 山添氏は、森法相が記者会見で、黒川氏の処分をめぐって「任命権者である内閣とさまざま協議を行った」「内閣で決定したものを、私が検事総長にこういった処分が相当ではないかと申し上げ、検事総長から訓告処分にするという知らせを受けた」(22日)などと述べていると指摘。「懲戒処分を行えるのは、内閣であって法務省ではない」として、「(法務省は)黒川氏の調査結果を内閣に報告し、懲戒処分を行うべきかどうか判断を求めたが、内閣の判断としては『訓告』でよかろうということだったのではないか」とただしました。

 森法相は「懲戒処分を行う場合には(判断の)主体は任命権者である内閣だ」と認めながら、黒川氏の処分については「法務省及び、検事総長が『訓告が相当』と決定したのち、内閣に報告したところ、その決定に異論がない旨の回答をえた」などと繰り返し、処分の検討過程での内閣のかかわりを否定しようと躍起になりました。

 山添氏は、21日に法務省が出した黒川氏の職責の検討結果では、「黒川検事長に対しては、国家公務員法上の懲戒処分に付すべきとまでは認められない」とされていることをあげ、「任命権者である内閣でないと判断できない」と指摘。短期間で違法な勤務延長、悪質な非違行為への処分など「恣意(しい)的な人事が繰り返されている」と批判し、決定過程を明らかにするよう求めました。


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