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2020年5月17日(日)

知りたい聞きたい

抗原検査とはどんなもの?

短時間で判定 精度に課題

 Q 厚生労働省が、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べる方法として13日に承認した抗原検査とはどんなものですか?(東京都 50歳)

 A 新型コロナウイルスが持つたんぱく質の一つ(抗原)を、それと結び付くたんぱく質(抗体)との反応を利用して検出する方法です。インフルエンザの検査などに使われてきた方法です。承認されたキット(富士レビオ社製)は、同社が独自に樹立した複数の抗体を使って新型コロナウイルス内部のたんぱく質を捕捉します。

 反応開始から30分以内で、検体に新型コロナウイルスが含まれているか判定することができるとされます。遺伝子を増やして新型コロナウイルスを検出するPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法のように特別な機器を必要とせず、短時間で判定できるなどの利点があり、検査数を増やすことができると期待されています。

 しかし、PCR法に比べ、検体中に多くの新型コロナウイルスが含まれている必要があり、新型コロナウイルスに感染していても陰性と判定される割合がPCR検査よりも高いといいます。このため、厚生労働省はキットで陰性と判定された場合でも、医師の判断でさらにPCR検査を実施し確定診断を行うこととしています。

 検体はPCR法と同じく、鼻の奥に綿棒を差し込んで採取します。PCR法と同様、検体を採取する人に感染の危険があるため、新型コロナウイルスの抗原検査はこれまでPCR法による検査が行われている医療機関で実施されます。

 新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べる方法には、新型コロナウイルスに感染することによってできる抗体(免疫グロブリン=Ig)を検出する方法もあります。Igは回復後も残るため、抗体検査で過去に感染したかどうかを調べることもできます。

 PCR法と抗体検査については、4月25日付本欄「新型コロナ感染どう調べるの?」に掲載しています。

 (2020・5・17)


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