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2020年3月5日(木)

きょうの潮流

 「グランド・バーゲン」。持てる国と、持たざる国との大きな取引とでもいうのでしょうか。そのバランスのうえに成り立ってきた条約の内実を表現しています▼75年前、米国が広島・長崎に原爆を落としたことは世界の安全保障に劇的な変化をもたらしました。米ソによる核兵器の開発や製造競争は激化し、英仏や中国が相次いで核実験。核不拡散条約(NPT)は、そうした動きのなかで生まれました▼米英仏ロ中の5大国に核保有を認める一方、そのほかの国には持つことを禁じる。この不平等な国際条約は紆余(うよ)曲折がありながら、軍縮や核なき世界をめざす流れのなかで、きょう発効50年を迎えます▼今年は5年に1度のNPT再検討会議が4月にニューヨークの国連本部で開かれます。核廃絶や核兵器禁止条約をおしすすめ、核保有国を追いつめる、世界の反核平和運動にとっても大事な場。そこに唯一の被爆国である日本の外務省が横やりを入れました▼全国の被爆者でつくる被団協がこの会議に合わせて開いてきた「原爆展」の内容に介入してきたのです。福島とチェルノブイリの原発事故を扱ったパネルを問題視し、このままでは後援できないと▼故郷を追われ、いまもなお収束のめどがたたない悲惨な原発事故の深刻な実態を知らせることがなぜ問題なのか。原爆展は運動をひろめ、励ます力になってきました。非人道的な核に対する政権の後ろ向きな姿勢がここにも。これでは架け橋どころか、世界から相手にされなくなります。


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