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2020年2月12日(水)

主張

住宅の安全・安心

公的責任を果たす政治こそ

 暮らしの土台である住まいの安全・安心が問われる事態が後を絶ちません。アパート経営をめぐる不正融資、不良物件の大量提供など国民の信頼を裏切る問題も顕在化しました。低所得者の「住まいの貧困」は依然深刻です。山積する課題解決のため、政府が公的責任を果たすことが重要です。

深刻なサブリース問題

 続発しているのはサブリース契約をめぐるトラブルです。同契約は、大手不動産会社などが土地所有者に賃貸住宅を建てさせ、それを一括して借り上げて、入居者にまた貸しする事業形態です。土地所有者に「相続税対策になる」と賃貸住宅オーナーになるよう勧誘し、過大な建設費を負担させたり、業者が一定の家賃収入を保証するとした約束を守らなかったりするなどの問題が多発しました。政府も通常国会に、サブリース契約規制の法案を提出する方向です。

 金融機関が賃貸住宅を格好の投資対象にしたことがサブリース契約被害に拍車をかけました。典型例は、スルガ銀行(静岡県沼津市)の不正融資です。資産や年収のデータを偽装し条件が満たない人へ融資を行うなど不正を重ねたのです。被害者は「頭金なしでシェアハウスのオーナーになれる」などと誘われ、土地と建築物を法外な価格で購入させられ、高金利ローンも組まされました。債務の重圧で、オーナーとなったサラリーマンが自殺する悲劇も生みました。

 問題を検証した第三者委員会の報告書(2018年)は、実態を無視した業績目標の設定による営業、審査の機能不全、ずさんな経営管理体制などが不正を拡大させたと指摘しました。不動産経営に不慣れな人たちを食い物にした金融機関、不動産・建設業者の責任は極めて重大です。同時に、不動産投資で収益を上げたスルガ銀行を「地銀の優等生」と扱った国の監督責任も厳しく問われます。

 サブリース業界大手のレオパレス21の大規模な違法建築も、オーナーの告発を契機に発覚しました。同社の設計・施工したアパートなどで天井裏に延焼防止の壁がない法令違反などが次々と判明し、1万人以上の入居者に転居要請する前代未聞の事態となりました。法による規制すら守らず低コスト、短い工期でもうけ優先の住宅建設がまかり通っていたことは深刻です。行政が法令違反などを見抜けなかったことも重大です。建築確認手続きやチェック体制の不備を改めることが急務です。

 サブリース被害を広げた根本にあるのは、民間任せの住宅政策です。住宅提供をもっぱら「経済対策」と位置づけ、市場任せにしてきた政府の姿勢は大問題です。

民間・市場任せ是正せよ

 政府が「健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠」と定めた最低居住面積水準を満たさない住宅のうち約8割が民間借家です。家賃負担が収入の30%を超える世帯の割合は東京都39・7%、大阪府38・5%にのぼるなど、高家賃に圧迫されている世帯は多数です。住宅に困窮する低額所得者に低家賃で貸す公営住宅は、08年の約208万戸から18年には約192万戸へ16万戸余も減っています。「住まいの貧困」を打開するためにも低廉家賃の住宅提供、公営住宅拡充などが急がれます。「住まいは人権」の立場に立つ政策への転換が求められています。


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