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2020年2月9日(日)

辺野古 70メートル超も軟弱地盤

改良工事 根拠崩れる

防衛省がデータ隠し 日曜版スクープ

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(写真)防衛省の軟弱地盤データ隠ぺいを報じる「しんぶん赤旗」日曜版2月9日号

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 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、予定地の軟弱地盤にかかわる「不都合」な地盤強度データを防衛省が隠ぺいしていた―。「赤旗」日曜版(2月9日号)のスクープが防衛省や地元・沖縄で衝撃を広げています。問題のデータは防衛省が設計の前提とする地盤強度を大きく下回るもの。軟弱地盤の改良工事は可能とする政府の「根拠」が崩れることになります。

 米軍新基地建設で焦点となっている建設予定地の大浦湾側に広がる「マヨネーズ並み」ともいわれる軟弱地盤。日曜版編集部の取材で明らかになったのは、軟弱地盤の最も深い水面下90メートルに達する「B27」地点の地盤強度です。実際に採取した土で調べた試験結果。防衛省の国会提出資料で土質調査報告書の巻末資料として英文で掲載されていました。その数値は、防衛省が設定する地盤強度を大きく下回り、3分の1しかない「軟弱」な場所も見つかりました。(グラフ)

 新基地建設予定地に広がる軟弱地盤は、大規模な地盤改良工事が必要です。しかし、90メートルの地盤改良工事が可能な作業船は国内にはありません。あるのは70メートルまで。専門家から、70メートル以深で地盤改良ができないなら、地盤沈下などが想定され新基地建設は困難だとの指摘が出ていました。

 しかし防衛省は70メートルまでの地盤改良でも新基地建設は可能と主張。その「根拠」としてきたのが、70~90メートルの地盤は「非常に固い」というものでした。防衛省は有識者でつくる「技術検討会」を設置。ここで地盤改良工事のお墨付きを得て、沖縄県に設計の変更申請を行う予定です。

 しかし防衛省は今回判明したデータを技術検討会に示していませんでした。

 元中堅ゼネコンの土木技術者は「この地盤強度では、安定して施工できない。技術検討会の議論の前提となっているデータの数値とまったく違い、これまでの検討は意味がなくなる」と指摘します。

 軟弱地盤の試験データの判明で、防衛省の現在の設計が根本から覆る事態となっています。

 B27の地盤強度をめぐってはこれまで、国会でたびたび大問題となってきました。岩屋毅防衛相(当時)は試験を「やってない」(2019年3月22日参院予算委員会)と答弁。国会への政府提出資料でも「B-27地点における室内試験を実施する必要はありません」としていました。

 日曜版報道を受け「東京」(8日付)も同問題について報じました。


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