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2020年1月22日(水)

きょうの潮流

 「みずからの仕事が正当で公正なものだと、きちんと国民に説明できなければいけない」。文科省の事務次官だった前川喜平さんが公僕としての役割をつづっていました▼腹心の友が理事長を務める加計学園の獣医学部新設をめぐり、安倍首相が特別の便宜をはかっていた―。疑惑の発覚時、渦中にいた前川さんは官邸からの圧力をみとめ、「総理のご意向」などと記された文書があったことを証言しました▼直後に雑誌に寄せた手記ではこうも語っています。「国民の知らないところで筋の通らないことがまかり通るようになれば、デモクラシー(民主主義)は機能しなくなる」。告発の声をあげたのは役人としての矜持(きょう じ )だったのでしょう▼安倍政権のもとでひろがる行政文書の操作や隠ぺい。いままた、首相主催の「桜を見る会」の招待者名簿にかんする公文書の管理が問題になっています。内閣府は先日、法に違反したとして人事課長ら官僚6人を厳重注意に処しました▼処分の妥当性は別として、ほんらい公のために働き、社会に貢献する立場の彼らの手を違法行為に向けさせたものは何か。政権の従者に変えた統制こそが、日本の政治を壊している元凶ではないのか。国会が始まっても当の首相は「桜」もカジノ汚職もだんまりを決め込んでいます▼人びとのために尽くしたい、人を幸せにする仕事をしたいと思い、役人の道に進んだという前川さん。人間をおとしめる政権を終わりにして、一人ひとりが胸を張って働ける政治をめざして。


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