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2020年1月20日(月)

きょうの潮流

 愛媛県伊方町九町字コチワキ…。四国電力伊方原発の所在地です。四国の西端、豊後水道に突き出した細長い佐田岬半島。その付け根にある地に、なぜ「九町」の地名が付いたのか▼平地の乏しい半島に9町(1町は3千坪)もの広大な平地があったから、と同地出身の俳人・坪内稔典さん。小学生時代、いま原発のある瀬戸内海側は九町越しと呼ばれ、半島の稜線を越えて磯遊びに行く場だった、と本紙連載で紹介していました▼その瀬戸内海側にある断層帯―中央構造線が仮処分決定の決め手となりました。17日、広島高裁が出した伊方原発3号機の運転差し止め決定です▼原発敷地のある佐田岬半島沿岸に「中央構造線断層帯」に関連する活断層があるのかないのか。存在する可能性が否定できないのに、四電はその調査を十分していないと断じました▼原発から130キロ離れた熊本・阿蘇山噴火の影響評価についても四電の想定は過小だ、と。活断層と火山―その双方で電力側の対応を問題なしとした原子力規制委員会の判断も、「過誤」「不合理」と指摘した高裁決定は重い。「どちらか一つだけでも差し止めを認められるくらいのもの」(原告弁護団)だからです▼地震を引き起こす活断層の有無、火山噴火の影響想定―各地で原発差し止めを求め裁判にとりくんでいる原告・住民は、わが身に引き付けて今回の高裁決定をとらえています。地震、噴火の被害・リスクの多発する日本列島。そのどこに原発立地が可能となる地があるというのか、と。


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