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2020年1月3日(金)

きょうの潮流

 今年のえと、ネズミを描いた年賀状が全国で交換されています。とはいえ家の中に出てきてほしくない生き物の代表格はネズミでしょう。病原菌を媒介する、物をかじると嫌われます▼人とネズミの付き合いは長い。二千数百年前に編まれた中国最古の歌謡集「詩経」にも「碩鼠(せきそ)」(大ネズミ)の詩が収められています。「碩鼠碩鼠わが黍(きび)を食(は)むなかれ」「わが麦を食むなかれ」「わが苗を食むなかれ」と農作物を食い荒らすネズミに呼びかけます▼日本では七福神のうち大黒天の使者とされるのがネズミです。時代が下って歌舞伎「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」では重要な役を務めます。敵役の仁木弾正(にっき・だんじょう)がネズミに化け、大事な巻物を奪うなど大活躍します。ネズミなしに成立しない芝居です▼現代のネズミのヒーローを挙げるとすれば、水木しげるの漫画「ゲゲゲの鬼太郎」のねずみ男でしょうか。ずる賢く、うそをつくが、結局自分が報いを受けて泣くはめになる。愛すべき憎まれ役です▼水木しげる記念館(鳥取県境港市)の公式ガイドブックがねずみ男の設定を紹介しています。どんな物もかみ砕く歯はネズミそのものですが、妖怪大学怪奇学科卒。主要キャラクターの中では高学歴です。「考える前にすぐうそをつける」くせに結婚詐欺にあい全財産をだまし取られたこともあります▼とはいえ、脳は「好奇心と夢を見る機能が発達しており、毎日が楽しくてしかたがないという生活ができる」とか。新しい年はそれくらい前向きに暮らしたいものです。


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