しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年12月26日(木)

きょうの潮流

 「遠い昔はるかかなたの銀河系で…」。宇宙を舞台に幕を開けた壮大な叙事詩がついに完結しました。第1作の公開は1977年。以来40年以上にわたって9作を重ねてきた「スター・ウォーズ」です▼世界中で、のべ10億人が見たという映画シリーズ。巨大な宇宙船、飛び交うレーザー光線、多様な惑星や個性的なキャラクターの数々。特撮を駆使した斬新な映像で、子どもからおとなまで楽しめるSF娯楽大作として人気を集めました▼強大な軍事力と暴力によって宇宙征服をたくらむ帝国。それに対抗し、自由や正義を守る共和国やジェダイの騎士。複雑に入り組む光と闇の世界観、友情や連帯の力で圧政に立ち向かう姿を描いた物語は、人生論や文化論などさまざまな面から論じられてきました▼このシリーズには「共生」のテーマが流れている―。日本語の字幕監修にもかかわった映画評論家の河原一久さんは『スター・ウォーズ論』のなかで強調しています▼そんな映画を生みだしたアメリカで、トランプ大統領が宇宙軍を創設しました。陸軍や海軍と同格で米国では六つめの軍になるといいます。宇宙を「新たな戦闘領域」として軍事活動を強めるもので、対抗できる国はどこにもいないと自賛しています▼まるで他国を力で支配する帝国のようになろうとでもいうのか。世代をこえて人びとから愛されたシリーズの最終話を手がけたJ・J・エイブラムス監督は語っています。この映画には差別のない世界と希望が込められていると。


pageup