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2019年11月23日(土)

きょうの潮流

 結婚するとき、不本意ながら自分が改姓したのは「女性が変えるのが当然」という周囲の雰囲気に勝てなかったからでした。「元の姓を通称で使用すれば大丈夫」という思いもありました▼甘い考えでした。病院、娘の保育園…と新しい姓で呼ばれる場面が増えるたび、違和感と喪失感が。二つの姓を使い分ける煩わしさ、別人だと疑われるトラブル。仕事のキャリアを分断され不利益を被る人も多くいます▼夫婦が同じ姓にすることを強制する法律を見直し、同姓か別姓かを選べるようにしてほしい。事実婚の男女10人が国を提訴した「第2次夫婦別姓訴訟」は3カ所の地裁で判決が出そろいました。いずれも訴えは棄却されました▼「同姓を選ぶことを否定するわけではない。希望者が別姓を選べるようにしてほしいだけ。それがどうして叶(かな)わないのですか」。原告や弁護団、支援者たちは悔しさや怒りとともに「実現まであきらめない」と決意を語っています▼夫婦同姓を義務付けているのは世界で日本だけ。国連からは何度も見直しを勧告され、政府の世論調査では賛成が反対を大きく上回りました。実現を阻むのは、安倍首相をはじめ自民党議員らの強硬な反対です。「家族の絆を壊す」と▼冗談じゃない。姓の違いと家族関係の良しあしは関係ない話です。大切なのは別姓でも同性同士でも法律上の結婚ができ、多様な生き方が認められる社会であること。だれもが自分らしく生きられてこそ、他者との絆も深められるというものです。


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