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2019年8月17日(土)

きょうの潮流

 新俳句人連盟の機関誌『俳句人』は、この8月号で700号を達成しました▼同連盟は、戦時中に弾圧された新興俳句運動やプロレタリア俳句運動を担った俳人が中心となり1946年5月に結成。11月『俳句人』創刊。民主主義日本と共に進展する現代俳句の確立と表現の自由を掲げ、活動を開始しました▼初代幹事長・栗林一石路(いっせきろ)の代表句〈シャツ雑草にぶっかけておく〉。炎天下、汗みどろになって働く労働者の姿を活写した句からは、不公正な社会への怒りが読み取れます。一石路は「理論がいかに正しくても、作品がこれに伴わなければ文学運動の意義をなさない」と創作と運動を鼓舞し続けました▼〈大戦起るこの日のために獄をたまわる〉の句で知られる橋本夢道(むどう)も創立メンバーの一人。戦前から反戦句を作り、治安維持法違反容疑で検挙された夢道は、東京拘置所で日米開戦を知りました▼55年に第4代委員長に就任した古沢太穂(たいほ)は31年間、その責務を担いました。代表句〈白蓮(しらはす)白シャツ彼我(ひが)ひるがえり内灘へ〉は、石川県内灘の米軍射爆場反対闘争に参加し詠んだ句です。太穂は69年『俳句人』がようやく100号に達した時、レッド・パージなどの厳しい弾圧を乗り越えてきた月日を振り返り、「私たちの歩みのおそさは、一そう深く胸に迫る」と詠嘆しています▼そして2019年、700号では平和特集「ジュゴンが泣いている」を組み、沖縄・辺野古新基地反対を歌う多彩な俳句を掲載。たたかいは引き継がれていきます。


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