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2019年8月3日(土)

きょうの潮流

 子どもたちの落胆が目に浮かびます。この夏休み、楽しみにしていたであろう、日韓の交流。ちがう慣習や文化にふれながら、理解しあい親しみを深めていく機会になるはずでした▼奈良・天理市では中学生たちが姉妹都市の瑞山(ソサン)市にホームステイしながら現地の中学生らと交わる予定でした。ところが出発式の後に突然の取りやめ。両国関係が非常に難しい状況になっているため、と連絡がきたといいます▼いま日韓の交流事業が相次いで中止になっています。広島の呉市は13年前から続けてきた昌原(チャンウォン)市との高校生交換留学を、大垣市も同じ昌原市との少年サッカー交流を延期。修学旅行やさまざまな催し、空路にも影響がでています▼長く継続してきた草の根の交流が絶えてしまうほどの深刻さ。そのさなかに日本政府は関係悪化に拍車をかける措置を断行しました。輸出管理の手続きを簡略にする優遇対象国から韓国を除外することを決めたのです▼徴用工問題を貿易問題に絡める道理のなさは、いっそうの泥沼化を招くだけです。両国の過去にふれる問題では、日本の植民地支配による被害者に誠実に向き合う姿勢が何よりも求められます。それが安倍政権にないことが悪化の根っこにあります▼日韓が国交を正常化した1965年には1万人だった両国の往来者は、昨年1千万人に達しました。こういう時だからこそ、草の根の交流を絶やしてはならないと、双方が協力する動きも現れています。不幸な歴史をくり返してはならない、と。


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