しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年8月1日(木)

ASEAN外相会議

中国は国際法尊重を

南シナ海 一部の国が強く懸念

 【バンコク=井上歩】東南アジア諸国連合(ASEAN)は7月31日、タイのバンコクで外相会議を開きました。緊張が続く南シナ海の情勢について、一部の加盟国が深刻な懸念を表明。10カ国の議論では、中国など関係国に国際法の尊重を求める立場が強調されました。


 南シナ海をめぐっては、中国の海洋調査船や海警の公船がベトナムの排他的経済水域(EEZ)内で活動し、ベトナムの船舶に接近するなど緊迫する事態が続いています。ベトナムは退去を求め中国に強く抗議しています。

 南シナ海情勢は30日のASEAN外相夕食会で議論され、インドネシアのルトノ外相はツイッターで「1982年国連海洋法条約を含む国際法の尊重が重要だという立場をASEANは確認した」と明らかにしました。同日のルトノ外相とベトナムのファム・ビン・ミン副首相兼外相との会談でも、国際法が順守されるべきだとの考えで一致しました。

 ASEANはこの間の声明文書で、南シナ海の埋め立てや緊張を高め、信頼を損なう活動に対する一部加盟国の「懸念に留意」してきました。その上で、情勢を複雑化させないよう「行動の非軍事化と自制」を関係国に呼びかけてきました。

 外交筋によると、今回の会議では、ベトナムがより強い表現を提案。外相会議共同声明に「深刻な懸念」の文言を盛り込むかどうかも議論されています。

 ASEAN諸国は今回、6月の首脳会議で採択した「ASEANインド太平洋構想」への支持も各国に働きかけています。ASEANを中心にインド太平洋地域で多国間協力を進めようとするもので、中国など一部の国はいまだ支持表明していません。ルトノ外相は30日の中国との2国間会談で、王毅(おう・き)国務委員兼外相に同構想を説明しました。

 議長国タイのドン外相は31日の外相会議開幕式で、ASEANが“持続可能な平和”の構築など世界に貢献するには「結束と中心的役割が決定的な要素だ」と強調。「加盟国間や大国との関係で不信と恐れを乗り越えること」が重要だと指摘しました。


pageup