しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年6月30日(日)

きょうの潮流

 その日も晴れた暑い日でした。「いってきまーす」。セミしぐれのなか、元気よく学校に向かう子どもたち。いつもと変わらぬ光景、一日の始まりでした▼6月も終わり、もうすぐ楽しい夏休み。友だちや先生と笑顔を交わし合う教室では、やがてミルク給食の時間に。そのとき、大きな爆発音とともに鉄のかたまりが落ちてきました。黒煙や炎に包まれ、泣き叫ぶ子どもの姿。平穏な日常が一瞬で奪われました▼沖縄・石川市(現うるま市)の宮森小学校や住宅地に米軍の戦闘機が墜落してから、きょうで60年になります。児童ら18人が犠牲となり、200人をこえる負傷者を出した大惨事。やけどの後遺症や心に深い傷を負った被害者も多い▼節目を前に現場となった小学校で開かれた追悼集会。悲惨な事故に思いをはせながら、児童が平和を誓う詩の群読や歌で命の尊さを訴えました。新垣桂校長は「当たり前の生活が奪われた先輩たちがいたことを忘れてはならない」と▼風化させないために劇で追体験させる試みも。遺族から話を聞き、再現したという小学生の演技は熱がこもり、演じた子どもは「事故のつらさや命の大切さがわかった」と話していました▼哀悼の集いの最中にも空には爆音をまき散らす戦闘機の姿が。劇を手がけた嘉陽哲子(のりこ)先生は「これが沖縄の現実。墜落は過去の話ではなく今の問題でもある」。基地があるかぎり、くり返される悲しみ。子どもたちは呼びかけます。「一人ひとりの手で、平和を永遠に守り続けよう」


pageup