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2019年5月13日(月)

ノドジロクイナは2度飛ぶ能力喪失

英研究グループ

 インド洋に浮かぶ、サンゴ礁が隆起してできたアルダブラ環礁では、飛べない鳥ノドジロクイナに2度飛ぶ能力を失う出来事が起こっていたことがわかったと、イギリス・ポーツマス大学とロンドン自然史博物館の研究グループが博物学の学術団体ロンドン・リンネ協会誌(10日付)に発表しました。

 ノドジロクイナはニワトリほどの大きさの鳥で、アフリカ大陸沖のインド洋に浮かぶマダガスカル島と、その北側に位置するアルダブラ環礁だけにすんでいます。アルダブラ環礁のノドジロクイナは、もともとマダガスカル島にすんでいたノドジロクイナの祖先がアルダブラ環礁にやってきて、天敵のいない環境で飛ぶ能力を失ったと考えられています。

 アルダブラ環礁は13万6000年前に海面の上昇で完全に水没し、その後10万年前ごろ海面の低下で再び海上に姿を現したことがわかっています。水没したときに、それまですんでいた生物は絶滅しました。研究グループは、水没前のノドジロクイナの化石と、ふたたび海上に姿を現してからのノドジロクイナの化石を調べました。

 その結果、水没前のノドジロクイナは翼の骨の変形で飛ぶ能力を失っていたのに対し、ふたたび海上に姿を現してからのノドジロクイナはかかとの骨の変形で飛ぶ能力を失っていたことがわかりました。

 「反復進化」と呼ばれる現象で、クイナでこの現象が確認されたのは初めてだといいます。


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