2019年5月13日(月)
第6回中央委員会総会
志位委員長の幹部会報告
日本共産党の志位和夫委員長が12日の第6回中央委員会総会で行った幹部会報告は次のとおりです。
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中央役員のみなさん、インターネット中継をご覧の全国のみなさん、おはようございます。
私は、幹部会を代表して、第6回中央委員会総会への報告を行います。
まず冒頭に、4月の統一地方選挙で、日本共産党に支持を寄せていただいた有権者のみなさんに心からのお礼を申し上げるとともに、党躍進のために日夜奮闘された支持者、後援会員、党員のみなさんに感謝と連帯のあいさつを送ります。
日本の政治の命運を左右する参議院選挙は、想定される公示日・7月4日まで2カ月を切り、すでに各党がしのぎを削る大激戦となっています。
6中総の任務は、歴史的な参議院選挙での勝利にむけた全党の意思統一をはかることにあります。
一、統一地方選挙をふまえ、参議院選挙にどういう構えでのぞむか
報告の第一の主題は、統一地方選挙をふまえ、参議院選挙にどういう構えでのぞむかであります。
統一地方選の結果と参院選に生かすべき教訓
統一地方選挙のたたかいからどういう教訓を引き出すか。私は、「ただちに参議院選挙のたたかいに生かす」という角度から三つの点を強調したいと思います。
政治論戦の力に確信をもち、参院選にふさわしくさらに発展させる
第一は、政治論戦の力に確信をもって、さらに発展させることであります。
わが党は、昨年10月の第5回中央委員会総会、今年1月の全国都道府県・地区委員長会議の方針にもとづいて、統一地方選挙で、安倍政治への審判と地方政治の転換を掲げ、「消費税10%への増税を中止し、消費税に頼らない別の道にきりかえる」、「国保料(税)の値上げでなく値下げを」、「『住民福祉の増進』という自治体本来の姿を取り戻す」、「安倍9条改憲を許さず9条を生かした平和外交」など、政治を変える希望と展望を語りました。わが党の訴えは、論戦全体をリードし、有権者の願いや関心にかみあい、共感を広げました。
選挙後、都道府県委員長のみなさんから感想を寄せていただきましたが、それを読んでも、例外なくわが党が行った政治論戦についての確信が語られています。
参議院選挙は、政党の値打ちが丸ごと問われる比例代表選挙を軸にたたかうことになります。わが党の政治論戦の基本に深い確信をもちつつ、参院選、とくに比例代表選挙にふさわしい形でさらに発展させる努力をはかりたいと思います。
「議席の後退」と「前進・躍進への足がかり」の両面をリアルにとらえる
第二は、統一地方選挙の結果を、「議席の後退」という面と、「今後の前進・躍進にむけた足がかりをつくった」という面の両面でリアルにとらえ、参院選のたたかいにのぞむことであります。
統一地方選挙での日本共産党の獲得議席は、前回比でみると、道府県議選で111議席から99議席に、政令市議選で136議席から115議席に、区市町村議選で1088議席から998議席に、それぞれ減らす結果となりました。
同時に、1月の全国都道府県・地区委員長会議の報告では、統一地方選挙について、選挙戦の厳しさを強調しつつ、「17年10月の総選挙で獲得した440万票をベースにして850万票の目標に向けてどれだけ伸ばせるかのたたかいとなる」とのべました。この尺度で選挙戦の結果を見ることが重要であります。
総選挙比例票との比較で見ると、道府県議選では得票数で124%、得票率で154%、政令市議選では得票数で110%、得票率で132%、区市町村議選では得票数で92%、得票率で110%となりました。この全体をとらえるならば、「今後の前進・躍進にむけた足がかりをつくった」ということがいえます。この結果は、全国の支部と党員のみなさんの献身的な大奮闘のたまものであります。
各党の獲得議席数で比較しますと、統一地方選の前半戦・後半戦の合計で、自民党が2463議席、公明党が1559議席、日本共産党が1212議席、立憲民主党が507議席、維新の会が271議席、国民民主党が229議席、社民党が94議席と、わが党は国政野党では第1党の地歩をしめました。これは地方政治と国政の民主的改革にとっても、今後の市民と野党の共闘の発展にとっても、重要な意義をもつものです。
議席の後退という事実は、参議院選挙で現有議席を確保して前進することが容易な仕事ではないことを示しています。この点をリアルに直視するとともに、全国の支部と党員のみなさんの大奮闘によって「今後の前進・躍進への足がかり」をつくったことに自信をもって参議院選挙にのぞむことを訴えたいと思います。
いまの自力で勝利をこじあける道――選挙の「担い手」を広げることに徹する
第三に、いまの党がもつ自力で勝利をこじあける道はどこにあるか。すべての支部と党員の決起をはかることを中心に、選挙の「担い手」を広げることに徹する。都道府県委員長のみなさんからの報告を見ても、ここに大きなカギがあることがのべられていることは重要であります。
統一地方選の前・後半戦を通じて議席を維持・前進させた埼玉県の荻原初男県委員長は、次のような感想を寄せています。「党の自力の問題を痛感した選挙だった。そのもとでどうしたら『担い手』を思い切って広げて、『支持者がみな立ち上がる選挙』にできるかとの努力を行ってきた。一つの支部で800人の『担い手』をつくりだしたなど貴重な経験がたくさんつくられた。読者・後援会員が『担い手』としてみな立ち上がる選挙にすること以外に打開の道はないと思っている。支持者・読者・後援会員は支持拡大の対象ではなく、『担い手』の対象として早くから必要な働きかけを行う作戦を考えていきたい」
前・後半戦を通じて議席を増やした高知県の春名直章県委員長は、次のような報告を寄せています。「選挙戦のなかで後援会員、支持者の方々に『折り入って』のお願いをすることは、党の力量の弱さをカバーし、『担い手』を広げ、末広がりに支持を広げるたしかな力となった。今日的な選挙戦の軸に据えねばならないと痛感する」
これらは学ぶべき重要な教訓を語っていると思います。参議院選挙にむけて、党の自力そのものを強くする仕事にとりくみつつ、私たちのもつあらゆる可能性を生かし、選挙をともにたたかう「担い手」を広げに広げて勝利をつかむ――ここに勝利への活路を見いだして奮闘しようではありませんか。
参議院選挙の目標と構えについて
つぎに参議院選挙の目標と構えについて報告します。
情勢を大局でどうとらえるか――日本の命運がかかった歴史的な政治戦
まずのべたいのは、情勢の大局的なとらえ方と参議院選挙の歴史的意義についてであります。
参議院選挙にむかう今の情勢をどうとらえるか。
私は、情勢を大局でとらえるならば、国民のたたかいによって、安倍政権があらゆる面で追い詰められており、政治を変える希望は大いにあることを強調したいと思います。消費税10%への増税について、景気の悪化と国民の批判を受けて、政権・与党の中からも実施見送り論が出されるなど動揺が始まっています。憲法9条改定についても、安倍首相の思惑通りに事が運んでいません。原発にしがみつく政治は、原発輸出が惨めに大破綻し、コスト高騰でも行き詰まっています。沖縄の新基地建設に対して、衆院沖縄3区補選で“トドメの審判”がくだされました。「ウソと忖度(そんたく)の政治」がさまざまな形で噴き出し、国民の強い批判を招いています。そして、これらの国政の主要争点のどの問題でも、あらゆる世論調査で、安倍政治への反対が多数となっています。国民の世論と運動が、安倍政権を追い詰めてきた。ここに深い確信をもとうではありませんか。
同時に、情勢の反動的打開の危険を直視することが必要であります。安倍首相は、5月3日、憲法記念日に、日本会議系の改憲集会へのビデオメッセージで、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」とのべました。首相側近の萩生田自民党幹事長代行は、9条改憲について、「(首相が)発信してもダメ、静かにしてもダメだったら、もうやるしかない」「新しい時代になったら、少しワイルドな憲法審査をすすめていかなければならない」と言い放ちました。安倍政権が国会での絶対多数を背景に、官僚組織やメディアにも強い支配力をもっていることを、直視しなければなりません。
行き詰まった安倍政権に退場の審判をくだし情勢を前向きに打開するか、反動的打開を許すか。参議院選挙は、まさに日本の命運がかかった歴史的な政治戦となります。参議院選挙を、市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進で、「安倍政治サヨナラ」の審判をくだし、希望ある新しい政治の扉を開く選挙にしていこうではありませんか。
参議院選挙にむかう市民と野党の共闘の現状と方針について
参議院選挙にむかう市民と野党の共闘の現状と方針について報告します。
私たちは、3中総決定で、「自民・公明とその補完勢力を少数に追い込む」ことを、わが党としての参院選の目標として確認しています。この目標を一貫して堅持して参議院選挙をたたかいぬきます。
それをやりきる大きなカギの一つが、市民と野党の「本気の共闘」の成功であります。わが党は、昨年来、安倍政権打倒をめざし、全国32の1人区のすべてで野党統一候補を実現し、勝利をかちとる態勢をつくるために力をつくしてきました。
野党候補の一本化にあたって、わが党は、「一本化にあたっては、お互いに譲るべきは譲り、一方的対応を求めることはしない」、「単なる一本化にとどまらず、みんなで応援して、勝利をめざす」、「政党間で政策協議を加速させ、共通政策をつくる」、「政権問題での前向きの合意をめざす」――四つの原則的立場を表明していますが、この立場で最後まで力をつくします。「5月の連休明けの早い時期に決着をめざす」ことが野党間での合意であり、早期に32の1人区のすべてで野党統一候補を実現するために全力をつくします。
野党候補の一本化の合意が実現した場合、わが党が擁立した候補者で一本化が実現した選挙区では、共闘の輪を広げ、必勝のために責任をもってたたかいぬくことは当然であります。他の野党が擁立した候補者で一本化が実現した選挙区、無所属候補で一本化が実現した選挙区では、それぞれの選挙区の実情をふまえて、「みんなで応援して勝利をめざす」という立場で全力をあげます。
市民と野党の共闘にこそ政治を変える希望があります。安倍政権の暴走を支えている国会での絶対多数を打ち破るには、野党が力を合わせる以外に道はありません。
この共闘は、もともと安保法制=戦争法に反対する国民・市民のたたかいのなかから生まれたものでした。それを前進させ、成功させる原動力は、国民・市民のたたかいにこそあります。参議院選挙にむけ、消費税10%中止を求める運動、安倍9条改憲反対の3000万人署名、原発ゼロをめざす運動、辺野古新基地を許さないたたかい、安保法制=戦争法廃止の運動など、あらゆる分野での国民運動を発展させることが重要であります。
安倍政権を打倒し、希望ある新しい政治をつくるという大義に立って、市民と野党の「本気の共闘」を成功させるために、知恵と力をつくそうではありませんか。
厳しさを直視しつつ、前進・躍進の条件に確信をもって必ず勝利を
政治を変えるもう一つの、そして決定的なカギは日本共産党の躍進であります。
私たちは、5中総決定で、「比例を軸に」を貫き、「850万票、15%以上」の目標をやりぬき、比例で7人以上の当選をかちとること、それと一体に、選挙区では東京、京都、大阪の現有3議席を絶対に守りぬき、議席増をめざすことを、参院選の目標として確認しています。この目標を堅持し、正面から挑戦する決意を、第6回中央委員会総会の総意としてあらためて固めあいたいと思います。
私は、そのさい二つの点を強調したいと思います。
第一は、今回の参議院選挙で改選となる現有議席の確保――比例代表で5議席、選挙区で3議席を確保すること自体が、どちらも容易ではないことを肝に銘じてたたかいぬくことであります。今回改選となる6年前の参議院選挙は、直前に行われた東京都議会議員選挙で、日本共産党が8議席から17議席への大躍進をとげるもと、躍進の流れのなかでたたかった選挙でした。今回の参院選は、統一地方選挙の結果にてらしても、これまでの取り組みの延長線上にとどまるならば、比例でも、選挙区でも、現有議席を後退させる危険があることを、私たちはリアルに直視しなければなりません。
第二は、前進・躍進の条件はあるということです。先ほど情勢の大局のとらえ方として、「安倍政権があらゆる面で追い詰められており、政治を変える希望は大いにある」とのべました。論戦においても、運動においても、安倍政治の矛盾の焦点をつき、打開の展望・希望を示し、追い詰めるたたかいの先頭に立ってきたのは日本共産党であります。安倍政治の矛盾が深まるなかで、政治への不安、政治を変えたいという願いが、国民のなかに抑えがたく広がっていることは間違いありません。この気持ちにこたえることができる政党は、日本共産党であります。
日本共産党は、3年8カ月前に、共闘の力で政治を変える新しい道に踏み出し、それ以降、市民と野党の共闘の成功のために、一貫して、誠実に力をつくしてきました。4月に行われた衆院補選では、沖縄3区の勝利に貢献するとともに、及ばなかった大阪12区のたたかいも、今後に生きる大きな財産をつくりました。共闘を通じて多くの新しい友人をつくり、新しい期待を広げていることは、6年前の参院選にはなかった新しい条件であります。
統一地方選挙で、「比例代表で850万票」の水準を達成、またはその水準に接近する得票を得た選挙区は、道府県議選で42選挙区、政令市議選で7選挙区、区市町村議選で26選挙区、合計で75選挙区生まれました。これらの先駆的奮闘は、「850万票、15%以上」という目標が、決して手の届かない目標ではないことを示しています。
厳しさを直視しつつ、前進・躍進の条件に確信をもって、「850万票、15%以上」に正面から挑戦し、参議院選挙での勝利を必ずかちとろうではありませんか。
複数選挙区でも1人区でも「比例を軸に」を揺るがず貫く
選挙戦をたたかううえで、「比例を軸に」を文字通り貫くことを訴えます。今回の参院選では、選挙区選挙では、複数定数区で日本共産党候補の勝利のためにたたかうとともに、1人区では野党統一候補の勝利のためにたたかうことになります。複数定数区でも1人区でも、「比例を軸に」を揺るがずに貫くことが重要であります。
比例代表で、日本共産党の前進・躍進の流れをつくり出してこそ、3現職区をはじめとする複数定数区での日本共産党候補の勝利、1人区での野党統一候補の勝利の道も開かれます。「比例を軸に」、「850万票、15%以上」に正面から挑戦することこそ、「安倍政治サヨナラ」の審判をくだし、希望ある新しい政治の扉を開く最大の力になることを強調したいと思います。
早期の解散の可能性――総選挙にのぞむ方針について
総選挙にのぞむ方針について報告します。
安倍政権が、追い詰められて早期の解散・総選挙に打って出る可能性が生まれています。そうなった場合には、正面から受けて立ち、衆議院でも自民・公明とその補完勢力を少数に追い込み、野党連合政権に道を開く選挙にするために全力をあげます。
衆議院選挙の予定候補者の擁立を進めます。中央として比例代表予定候補者の第1次分を発表しました。小選挙区では、与野党が競り合っているところを中心に、相互主義の立場で、野党候補一本化の協議を開始していきますが、現在の選挙制度のもとでわが党が比例代表で伸びるうえでも、小選挙区に一定数の候補者を擁立することは絶対に必要となります。中央と相談しつつ予定候補者の擁立を進めていただきたいと思います。
東日本大震災の被災3県の地方選挙について
6月から11月にかけて行われる東日本大震災の被災3県――岩手県、宮城県、福島県の地方選挙は、被災者の生活と生業(なりわい)を再建し、被災地の復興を進めるうえでも、被災地から安倍政治転換を求める声をあげていくうえでも、きわめて重要な選挙となります。日本共産党候補者の全員当選をかちとるために、全国からの支援を呼びかけます。
二、政治論戦の二つの力点(1)――批判とともに希望を語ろう
報告の第二の主題は、政治論戦についてであります。
参議院選挙をたたかう政治論戦の基本は、昨年10月の5中総決定、今年1月の全国都道府県・地区委員長会議の報告で、すでに明らかにしています。6中総では、それらを前提にしつつ、政治論戦の「二つの力点」を提起したいと思います。
政治を変える本当に現実的な道はどこにあるか――明日への希望を語る選挙に
第一の力点は、「批判とともに希望を語ろう」ということであります。
国民のなかには、保守の人たちを含め、安倍政治に対する深い不安や不信が広範に存在しています。同時に、「それではどうしたらいいのか」という展望、希望が見えないという状況、閉塞(へいそく)感があることも事実だと思います。
そうしたもと、安倍政治に対する本質を突く批判はもとより大切であります。そのさい、「安倍政権だから悪い」といった“結論先にありき”ではなく、どこが問題かを事実と論理にもとづいて、また国民の要求とのかかわりで、明らかにしていく冷静な批判を心がけたいと思います。
同時に、安倍政治を終わらせて、どういう政治をつくるのか。日本の社会をどうしていくのか。この政治と社会を変える本当に現実的な道はどこにあるのか。国民の切実な願いにこたえて、日本共産党の対案を語り、希望を語ることが大切であります。国民の心に響く、わかりやすい言葉で、明日への希望を語る選挙にしていこうではありませんか。
参議院選挙政策は、しかるべき時期に発表できるように準備をしていますが、報告では重視すべき政治論戦の五つの争点についてのべたいと思います。
消費税10%増税中止、暮らしの明日に希望のもてる政治への切り替えを
第一は、消費税10%への大増税を中止し、暮らしの明日に希望のもてる政治へと切り替えることであります。
「景気悪化」のもとでの増税――前例のない無謀きわまる政策
「こんな経済情勢で増税を強行していいのか」という危惧、批判が広がっています。2014年の消費税8%への増税を契機に、家計消費は世帯あたり年25万円も落ち込み、働く人の実質賃金は年平均10万円も落ち込み、世界経済の減速も加わって、政府自身が景気悪化の可能性を否定できなくなっています。
これまで自民党政府は、消費税増税を3回行っていますが、どれも政府の景気判断としては「好景気」「回復期」の時期に実施されました。89年の消費税3%は「バブル経済」のさなかであり、97年の5%、14年の8%への増税も、政府の景気判断は「回復」というもとでのものでした。それでも5%、8%への増税は、どちらも消費不況の引き金を引く結果となりました。今回の10%への増税は、政府自身が景気悪化の可能性を認めるなかでのものであり、それを強行するならば、歴史的にも前例のない無謀きわまる政策となることを厳しく指摘しなければなりません。
米中貿易戦争が深刻化しています。世界経済の減速が進むなかで、米国、中国などは景気対策のための大型減税を実施しています。こうした中で5兆円もの大増税で家計の購買力を奪おうとしている安倍政権の姿勢は、世界の流れにてらしても逆流であり、自滅行為というほかありません。
政権・与党の中からも動揺が始まりました。萩生田自民党幹事長代行は、7月1日に発表される6月の日銀短観が示す景況感次第で、増税実施の延期もあり得ると発言しました。萩生田氏は「まだ間に合う」とも発言しています。7月以降でも増税実施の見送りは可能だということを認めたのであります。
10%への増税は、今からでも止められます。「10月からの10%は中止せよ」の一点で大同団結し、参議院選挙で「増税ストップ」の審判をくだし、消費税10%を必ず止めようではありませんか。
「暮らしに希望を――三つの提案」を訴えてたたかう
いま求められているのは、家計を応援し、格差と貧困をただし、国民が暮らしの明日に希望のもてる政治への切り替えであります。日本共産党は、緊急の課題として、「暮らしに希望を――三つの提案」を訴えて参議院選挙をたたかいます。
第一の提案は、8時間働けばふつうに暮らせる社会をつくることです。中小企業への支援を抜本的に強めつつ、最低賃金をただちに全国一律1000円に引き上げ、1500円をめざします。残業代ゼロ制度を廃止し、「残業は週15時間、月45時間まで」と法律で規制します。労働者派遣法の抜本改正をはじめ非正規雇用労働者の正社員化をすすめます。政府の責任で介護や保育の労働者の月5万円の賃上げをはかります。
第二の提案は、暮らしを支える社会保障を築くことです。国民の暮らしを支えるべき社会保障が、暮らしを押しつぶすという現状を改革します。高すぎる国民健康保険料(税)のこれ以上の値上げを許さず、公費1兆円を投入して「均等割」「平等割」を廃止し、抜本的引き下げをはかります。国の制度として子どもの医療費の就学前までの無料化を実現します。マクロ経済スライドをやめて「減らない年金」を実現するとともに、低年金者全員に月5000円、年間6万円を給付する「底上げ」をはかります。低所得者の介護保険料を軽減します。安倍政権が行った生活保護削減を中止し、支給水準を回復します。障害者(児)福祉・医療の無料化をすすめます。
第三の提案は、お金の心配なく学び、子育てができる社会をつくることです。大学・専門学校の授業料をすみやかに半減し、段階的に無償化をはかります。低所得者に限定した政府案を見直し、70万人に月額3万円以上を支給する給付奨学金制度をつくるとともに、すべての奨学金を無利子化します。学校給食の無償化をはじめ憲法で定められている義務教育の完全無償化を実現します。「幼児教育・保育の無償化」を消費税に頼らずに実施するとともに、認可保育所の増設で待機児童を解消します。
以上が日本共産党の「暮らしに希望を――三つの提案」であります。「三つの提案」を実行することは、最も効果的な景気対策ともなり、日本経済の持続可能な成長をうながす本道ともなることを、強調したいと思います。
財源は「消費税に頼らない別の道」でまかなう
消費税10%を中止し、「三つの提案」をパッケージで実行するのに必要な財源は7・5兆円であります。
財源は、「消費税に頼らない別の道」でまかないます。大企業への優遇税制をあらため、中小企業なみの負担を求めます(4兆円)。富裕層優遇の証券税制をあらため、最高税率の引き上げをはかります(3・1兆円)。米軍への「思いやり予算」などを廃止します(0・4兆円)。以上の改革で7・5兆円の確保は十分に可能であります。
トランプ米大統領言いなりの高額の米国製武器の「爆買い」が大問題となっています。F35戦闘機を1機116億円やめただけで、保育所なら4000人分、特養ホームなら900人分、学校のエアコン設置なら4000教室が可能になります。「F35の『爆買い』をやめて、保育園、特養ホームの建設、学校の冷房化を」と訴えようではありませんか。
日米FTA交渉を中止し、農林水産業を地域経済の柱にすえる
4月26日に行われた日米首脳会談は、日米の新しい貿易交渉の加速を確認しましたが、そこでトランプ大統領は、農産物関税の撤廃を要求しました。「FTA(自由貿易協定)交渉でなく、TAG(日米物品貿易協定)交渉だ」などと国民をあざむき、経済主権、食料主権を売り渡す亡国の道を許してはなりません。
日本農業と食料に壊滅的打撃をもたらす日米FTA交渉の中止、食料主権を保障する貿易ルールの確立を強く求めます。農林水産業を地域経済の柱に位置づけ、国連が呼びかけた「家族農業の10年」を推進し、将来にむけて安心して農業に励める価格保障と所得補償を行うことを要求してたたかいます。
日本共産党の躍進で「暮らしに希望を」の訴えを広げに広げ、国民とともに希望ある新しい政治をつくる選挙にしていこうではありませんか。
安倍9条改憲を断念に追い込み、9条を生かした平和外交への切り替えをはかる
第二は、安倍政権による憲法9条改定を断念に追い込み、9条を生かした平和外交への切り替えをはかることであります。
自民党の9条改憲条文案の二つの大問題
安倍首相・自民党は、「2020年を新しい憲法が施行される年に」と公言し、参議院選挙で改憲問題を正面から掲げる姿勢を示しています。新天皇即位と改元で「新時代」到来のブームをあおり、それに乗せて改憲を進めるという、天皇の制度の最悪の政治利用を行っています。これを正面から迎え撃ち、打ち破る論戦とたたかいをすすめようではありませんか。
安倍9条改憲のどこが問題か。自民党がまとめた9条改憲の条文案は、その危険性を自ら告白するものとなっています。二つの大問題を指摘したいと思います。
第一に、自民党の条文案は、9条2項の後に、「前条の規定は、……自衛の措置をとることを妨げない」として自衛隊の保持を明記しています。「前条の規定は……妨げない」となると、9条、とくに2項の制約が、自衛隊に及ばなくなります。9条2項が残っていても、立ち枯れとなり、死文化してしまいます。海外での無制限の武力行使が可能になってしまいます。
第二に、自民党の条文案では、「自衛隊の行動」は「法律で定める」と書いています。これまで政府は、「自衛隊の行動」を憲法との関係で説明してきました。憲法との関係で、武力行使を目的にした海外派兵、集団的自衛権の行使、攻撃型空母や戦略爆撃機やICBMなど相手国の壊滅的破壊のための武器の保有、徴兵制などは、「できない」と説明してきました。たとえ国会で多数を占めていても、「合憲性」を説明できないことは行えなかったのです。ところが、ひとたび自衛隊を憲法に明記し、あとは「法律で定める」とすれば、ときの多数党と政府が、法律さえ通せば、自衛隊の行動を無制限に拡大できるようになってしまいます。
安倍首相は「違憲論争に終止符を打つ」といいますが、自衛隊は違憲という批判があったからこそ、政府は、自衛隊が憲法に「適合」することを説明する責任が負わされ、それが海外派兵の一定の歯止めとなってきました。憲法によって自衛隊が「合憲化」されたとたんに、政府はそうした説明責任から解放され、海外派兵の歯止めは失われます。
これが自民党改憲案の本質であります。「戦争する国」への歯止めなき暴走を、絶対に許してはなりません。
安倍首相の改憲への執念はいささかも軽く見ることはできませんが、致命的弱点があります。それは、憲法で縛られるべき首相が、自ら改憲の旗振りをすること自体が、憲法違反であり、立憲主義の否定であるということであります。
「安倍政権による9条改憲を許さない」――この一点での共同を広げに広げ、参議院選挙で「安倍改憲サヨナラ」の審判をくだそうではありませんか。
9条を生かした平和外交で、北東アジアに平和の地域共同体を
いま求められているのは、憲法9条を生かした平和外交によって、地域と世界の平和に貢献する日本をつくることであります。
昨年来、対話と交渉によって、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築をめざす動きが起こっています。
2月のハノイでの第2回米朝首脳会談は、合意に至らなかったものの、米朝双方が会談は「建設的」と評価し、「協議を続ける」と表明しました。問題解決の道は、対話と交渉の継続しかありません。これに逆行し、国連安保理決議に違反する軍事的挑発は、厳につつしむべきであります。
わが党は、米朝双方に、昨年6月のシンガポール共同声明を具体化・履行するための真剣な協議を続けることを強く求めます。現在のこう着状態の打開のためには、米朝双方が、非核化と平和体制構築の目標を明確にした包括的合意をかわし、段階的に履行することが、最も合理的で現実的な道であります。
日本政府は、憲法9条の精神に立ち、2002年の日朝平壌宣言を基礎にすえて、この平和プロセスが前進するよう積極的にコミットすることこそ必要であります。
朝鮮半島の情勢の前向きの変化のもと、日本共産党が第26回党大会で提唱した「北東アジア平和協力構想」が現実性と重要性をましています。あらゆる紛争問題を、平和的な話し合いで解決することを参加国に義務づけるルールを土台に、ASEANのような平和の地域共同体をつくる――ここにこそ、北東アジアの平和と安定を保障する希望があることを、大いに語り広げようではありませんか。
原発ゼロの日本、再生可能エネルギーへの大転換を
第三は、原発ゼロの日本、再生可能エネルギーへの大転換をはかることであります。
安倍政権の原発にしがみつく政治は、いよいよ現実性を失い、未来はない
安倍政権の原発再稼働を推進し、原発にしがみつく政治は、いよいよ現実性を失い、未来がないことはいまや明らかとなっています。
原発輸出政策の惨めな破綻につづいて、「原発低コスト」論が破綻に陥っています。政府の資源エネルギー庁が3月に提出した資料では、「世界では……太陽光発電・陸上風力発電ともに、1キロワット時あたり10円未満での事業実施が可能になっている」と明記しました。政府のきわめて低い見積もりである原発の発電コスト1キロワット時あたり10・1円を下回りました。「原発の発電コストは安い」という主張を、政府自らが否定したのであります。
福島第1原発の事故処理のための費用は、すでに10兆円をこえ、この先どこまで膨らむかまったく見当もつきません。再稼働のための既存原発の「安全対策費」は電力会社11社で4・6兆円にもなり、電気料金・税金などを通じて国民の負担になります。10万年もの管理が必要な「核のゴミ」の処理費用は誰も算定できません。原発は産業としてもまったく未来はありません。これにしがみついて利益を得るのは、原発利益共同体に属するひとにぎりの巨大企業だけであります。参議院選挙で「原発サヨナラ」の審判をくだそうではありませんか。
世界の流れは、再生可能エネルギー・脱炭素にかじを切っている
すでに世界の流れは、再生可能エネルギー・脱炭素にかじを切っています。
原発が巨大企業中心のシステムであるのに対して、再生可能エネルギーは、その地域に根差したエネルギーであり、その担い手の主役は中小企業です。
その雇用効果は、原発をはるかに上回ります。福島第1原発事故の前、使用されていた原発が全国で54基だったときでさえ日本の原子力関係従業員数は約4万6千人(2010年度)だったのに対し、ドイツで再生可能エネルギーに携わる従業員数は33万2千人(2017年)と、桁違いに多いのであります。
原発ゼロ、再生可能エネルギー・脱炭素への大転換こそ、未来があり、希望があることを、大いに語っていこうではありませんか。
沖縄の米軍新基地建設を許さず、米軍基地の特権をただし、あたりまえの主権国家を
第四は、沖縄の米軍新基地建設を許さず、在日米軍基地の異常な特権をただし、あたりまえの主権国家をつくることであります。
安倍政権を倒し、「沖縄建白書」を実行する新しい政権をつくろう
4月21日に行われた衆院沖縄3区補選で、「オール沖縄」の屋良朝博候補が、「辺野古推進」を公然と掲げた自民党候補を大差で打ち破って勝利をかちとったことは、「新基地ノー」の“トドメの審判”となりました。
沖縄県民による繰り返しの審判を無視して、安倍政権は、辺野古埋め立て工事を続けていますが、先の展望はまったくありません。超軟弱地盤の問題はきわめて深刻で、政府はいまだに地盤改良・基地建設のための費用も期間も明示できないでいます。地盤改良のための設計変更には玉城知事の承認が必要ですが、知事は絶対に新基地を造らせないと明言しており、やみくもに土砂を投入しても新基地をつくることは絶対にできません。政治的にも、技術的にも、新基地建設強行の道に未来はありません。
沖縄の基地問題の解決の方法は明瞭です。安倍政権を倒すことです。本土と沖縄の連帯、市民と野党の共闘で、安倍政権を倒し、辺野古新基地断念、普天間基地閉鎖・撤去を掲げた「沖縄建白書」を実行する新しい政権をつくることです。参議院選挙でそれにむけた第一歩の審判をくだそうではありませんか。
欧州諸国との比較でも異常な特権――日米地位協定の抜本改正を強く求める
全国各地で米軍基地による被害が深刻になっています。沖縄に配備された米海兵隊のMV22オスプレイは、くりかえし本土に飛来し、傍若無人な飛行・訓練を続けています。米空軍のCV22オスプレイが横田基地に配備され、超低空飛行を含む訓練を各地で実施しています。岩国基地は、米海兵隊のF35B戦闘機が米国外で初めて配備され、空母艦載機が移駐され、東アジア最大の航空基地に変貌しました。爆音被害だけでなく、墜落事故など重大事故が相次いでいます。日本の米軍基地の実態は、欧州諸国と比較しても、まともな主権国家とはいえない屈辱的なものであります。
わが党は、危険なオスプレイは、沖縄からも本土からもただちに撤去することを要求します。住民の安全と暮らしに深刻な被害をもたらす低空飛行やNLP(夜間離着陸訓練)の中止を求めます。海兵隊の撤退、空母打撃群の母港を返上することを求めます。
日米地位協定の問題は、全国知事会もその改定を求めるなど、国政の熱い焦点となっています。この間、沖縄県は、米軍が駐留する欧州諸国を調査し、日本と比較した結果を発表しました。その結果、米軍に国内法が適用されない、米軍基地への立ち入り権がない、訓練・演習の規制ができない、航空機事故のさいの捜索権を行使しないなどの日本の実態は、どれも欧州諸国には見られない異常なものであることが明らかになりました。横田空域のような外国軍が管理する広大な空域も、欧州諸国には存在しません。このような植民地的特権を保障した日米地位協定が、1960年の締結いらい一度も改正されていないことは、まともな主権国家とは到底いえない異常なことではありませんか。日米地位協定の抜本改正を強く求めてたたかおうではありませんか。
異常な対米従属の根源には、日米安保条約があります。国民多数の合意を得て、日米安保条約をアメリカ政府への通告(条約第10条)によって廃棄し、米軍とその基地を撤退させ、対等・平等の立場にもとづく日米友好条約を結ぶ――党綱領の日本改革の方針を高く掲げてたたかいます。
米軍基地の異常な特権をただし、あたりまえの主権国家をつくろう――このことを参議院選挙で、大いに訴えようではありませんか。
差別や分断をなくし、誰もが尊厳をもって自分らしく生きることのできる社会を
第五は、差別や分断をなくし、誰もが尊厳をもって自分らしく生きることのできる社会をつくることであります。
尊厳をもち自分らしく生きることを求める運動の広がり――五つの政策を掲げて
今回の参議院選挙は、各党に候補者を男女同数とする努力義務が課された「政治分野における男女共同参画法」が施行されて初めての国政選挙となります。#MeToo(ミートゥー)運動など性暴力やハラスメントを許さない運動、性的マイノリティへの差別をなくし尊厳をもって生きることを求める運動などが広がっていることは、日本社会にとっての大きな希望です。
私たちは次の五つの政策を掲げて参議院選挙をたたかいます。
第一に、ジェンダー平等社会(性差による差別のない社会)を推進します。男女平等のレベルを示す世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数が、日本は149カ国中110位と低迷を続けています。この後進性を打ち破り、男女賃金格差の是正など働く場での男女平等の確立、あらゆる分野の意思決定への女性登用の促進、選択的夫婦別姓の実現、民法・戸籍法などに残る差別一掃をすすめます。
第二に、性暴力を許さない社会をつくります。被害にあった人がいつでも相談でき、心身のケア、証拠保全、包括的な支援を行うワンストップ支援センターを抜本的に充実させます。2017年の改正刑法の「3年後の見直し」にむけ、強制性交等罪の「暴行・脅迫要件」の撤廃と同意要件の新設をはじめ、性暴力の根絶につながる抜本的改正を行います。
第三に、社会のあらゆる場面でハラスメントに苦しむ人をなくします。日本はハラスメント対策後進国となっています。女性活躍推進法等改定案が参議院で審議入りとなりましたが、ハラスメント禁止規定がない、顧客・取引先など第三者からのハラスメントを対象としない、独立した救済機関がないなど、きわめて不十分なものにとどまっています。このままでは今年6月に採択される予定のILO(国際労働機関)のハラスメント禁止条約を日本は批准できません。ILO条約を批准できる水準のハラスメント禁止法をつくります。
第四に、LGBT/SOGI(性的指向・性自認)に関する差別のない社会をつくります。多様な性のあり方を認めあう社会ほど、社会のすべての構成員が個人の尊厳を大事にされ、暮らしやすい社会になります。野党共同提出の「LGBT差別解消法案」の成立に力をつくします。パートナーシップ条例の推進をはじめ同性カップルの権利を保障し、同性婚を認める民法改正をめざします。
第五に、在日外国人の権利を守り、ヘイトスピーチを根絶します。入管法改定により、外国人労働者の増加が予想されます。技能実習制度は廃止し、外国人の人権、労働者としての権利が守られる体制を早急に確立します。ヘイトスピーチを根絶することは、日本国憲法の精神が求めるところであり、日本も批准している人種差別撤廃条約の要請でもあります。ヘイトスピーチ解消法(16年成立)も力に、ヘイトスピーチを社会から根絶していくために、政府、自治体、国民があげてとりくみます。
ジェンダー平等に背を向ける安倍政権の姿勢の根底には時代逆行の思想が
これらは、日本国憲法や国際的人権保障の到達点にてらして、あたりまえの内容であります。ところが、安倍政権は、口先では「女性の活躍」と言いながら、差別の実態には目をふさぎ、ジェンダー平等に背を向け続けています。政権内部から、公然と女性を差別し、セクハラ加害者を擁護する発言が繰り返されています。「生産性がない」などLGBTの人たちへの公然たる差別発言を行った議員を擁護し、発言を容認しています。ヘイトスピーチを野放しにする政治姿勢も露骨です。これらの根底には、侵略戦争と植民地支配の美化、男尊女卑、個人の尊厳の否定、個人の国家への従属という時代逆行の思想があることを厳しく指摘しなければなりません。
差別や分断をなくし、誰もが尊厳をもって自分らしく生きられる社会をつくるうえでも、安倍政権を退場させることは急務となっていることを強調したいのであります。
三、政治論戦の二つの力点(2)――日本共産党の魅力を語り、積極的支持者を増やそう
総選挙の教訓――「共産党だから支持する」という積極的支持者を増やす
政治論戦の第二の力点として強調したいのは、「日本共産党そのものの魅力を語り、積極的な党支持者を増やそう」ということです。
2017年12月に開いた第3回中央委員会総会では、総選挙のたたかいをふりかえって、「共闘を前進させながら、いかにして日本共産党の躍進をかちとるか」という角度から教訓を引き出しました。そこで私たちの努力方向として強調したのは、「共産党だから支持する」という積極的な党支持者を増やすとりくみを強めようということでした。この教訓を、参議院選挙のたたかいに生かすことを呼びかけたいと思います。
積極的な党支持者といった場合、すでにのべた参院選で訴えるわが党の政策への支持と共感を広げること自体が、積極的な党支持者を広げる重要な活動になります。報告では、「批判とともに希望を語ろう」と強調し、参院選の政策論戦の基本についてのべました。その内容の一定部分は野党共通のものですが、「消費税に頼らない別の道」、「北東アジア平和協力構想」、「米軍基地の異常な特権をただし、あたりまえの主権国家をつくる」など、わが党ならではの独自の内容もあります。積極的な党支持者を増やす大きな力にしていきたいと思います。
同時に、わが党の政策的立場の根本には、党の綱領、理念、歴史があり、ここにこそ日本共産党の大きな魅力があります。国民の関心、疑問にかみあわせて、また党員一人ひとりが持っている党に対する思い、党への誇りを大切にして、党の政策の魅力とともに、党そのものの魅力を自由闊達(かったつ)に語り、「共産党だから支持する」という積極的な党支持者を大いに増やす選挙にしていこうではありませんか。
国民の関心、疑問にかみ合わせ、一人ひとりの思いを大切にして、党の魅力を語ろう
順不同で、いくつかのポイントをのべます。参議院選挙の宣伝や対話の参考にしていただければと思います。
二つのゆがみをただす立場に立ってこそ、政治を変える希望を語れる
安倍政権の暴走政治のどんな問題でも、根っこには「財界中心」、「アメリカ言いなり」という二つのゆがみがあり、このゆがみをただす改革にとりくむ立場に立ってこそ、安倍政権の暴走政治と正面からたたかえるし、政治を変える希望を語ることができます。
国民には消費税増税を押し付けながら、大企業には減税をばらまく政治に正面から立ち向かい、増税反対で断固たたかえるし、「消費税に頼らない別の道」を示すことができます。アメリカ言いなりに、辺野古新基地を押し付ける政治に正面から対決することができるし、普天間基地の無条件撤去を求めてアメリカと交渉せよという打開の方策を示すことができます。日米地位協定の抜本改定という緊急の課題を断固として掲げることができるし、国民多数の合意で日米安保条約を廃棄し、独立・平和の日本をつくるという日本改革の大展望を示すことができます。
自民党政治の二つのゆがみをただす民主的改革をすすめる綱領を持つ党、ほんとうの改革者の党が日本共産党であることを、大いに語ろうではありませんか。
私たちのめざす未来社会は、いまのたたかいと「地つづき」でつながっている
私たちは、資本主義社会が、人類が到達した最後の社会であるとは考えません。人類はこの矛盾と苦難に満ちた社会をのりこえて、未来社会――社会主義・共産主義社会にすすむ力をもっているというのが、私たちの確信であります。
私たちがめざす未来社会の最大の特質は、「人間の自由な全面的な発展」というところにあります。そして、その最大の保障は、労働時間の抜本的短縮です。生産手段の社会化によって、人間による人間の搾取を廃絶することで、労働時間が抜本的に短縮され、すべての人間が自由な時間をつかって、その潜在的能力を自由に全面的に発展させることのできる社会。ここに私たちのめざす未来社会の最大の魅力があります。
社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、豊かに発展させられます。「ルールある経済社会」への改革によって達成された成果の多く――労働時間の短縮、両性の平等と同権、人間らしい暮らしを支える社会保障などは、さらに豊かな形で未来社会に引き継がれ、発展させられます。私たちのめざす未来社会は、いまのたたかいと「地つづき」でつながっています。
旧ソ連、中国などをどう見るか、なぜ日本共産党という名前を掲げるかなどともかみあわせて、日本共産党のめざす未来社会の魅力を大いに語ろうではありませんか。
「本気の共闘」のために頑張る根本には綱領の立場がある
私たちはいま、市民と野党の共闘で政治を変えることに大きな力をそそいでいますが、その根本には、綱領の立場があります。
社会は、一歩一歩、階段をのぼるように、その時々の国民の切実な願いを実現しながら、段階的に発展していく。その階段のどの一歩も、選挙で示された国民多数の意思にもとづいてあがっていく。そして、社会発展のあらゆる段階で、思想・信条の違いをこえた統一戦線の力で社会変革をすすめていく。
段階的発展、多数者革命、統一戦線――これが社会変革をすすめる私たちの基本的姿勢であります。日本共産党が、「本気の共闘」のために、一貫して、誠実に頑張っている根本には、綱領のこの立場があります。
草の根で国民と結びつき、苦難軽減のために献身する党
日本共産党が、全国に約30万人の党員、約2万の党支部、約2700人の地方議員をもち、国民と結びつき、国民の苦難軽減のために日々頑張っている、草の根の力に支えられた党であることは、私たちが一番の誇りとするところであります。
草の根で女性が大きな役割を果たしていることも、私たちの誇りです。統一地方選挙での当選者に占める女性の割合は、日本共産党は、道府県議で52%、政令市議で52%、区市町村議で40%となりました。ここには戦前・戦後、一貫して女性差別撤廃、男女同権のためにたたかってきた党の姿が示されているということを強調したいと思うのであります。
財政の面で、日本共産党は、企業・団体献金も政党助成金も受け取らない唯一の党であります。草の根の力にのみ依拠して財政を支えていることが、国民の立場でスジを通す力の源泉となっています。
「ブレない党」の根本にあるもの――97年の不屈の歴史
日本共産党は、党をつくって97年の歴史をもちますが、この歴史は、日本国民の利益を擁護し、平和と民主主義、社会進歩をめざして、その障害になるものに対しては、相手がどんなに強力で巨大な権力であろうと、正面から立ち向かってきた歴史であります。
日本共産党第27回党大会決定は、この角度から「歴史が決着をつけた三つのたたかい」について描き出しています。第一は、戦前の天皇制の専制政治・暗黒政治とのたたかい。第二は、戦後の旧ソ連などによる覇権主義とのたたかい。第三は、「日本共産党を除く」という「オール与党」体制とのたたかいです。どの問題でも、日本共産党のたたかいにこそ未来があったことは、歴史によって証明されました。
いまわが党に対して、立場の違いをこえて、「ブレない党」という評価があることはうれしいことです。その根本には、綱領とともに、97年の不屈の歴史があります。この歴史への誇りを、一人ひとりの党への思いに重ねて、大いに語ろうではありませんか。
すべての支部が「集い」を開き、党の魅力を語り、積極的支持者を増やそう
この問題とのかかわりで強調したいのは、すべての支部・グループが、参議院選挙にむけ、「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」をもとうということです。
私たちは、5中総決定で、「集い」を、「選挙活動、党活動全体を発展させる推進軸」と位置づけ、支部を基礎に全国で網の目のように開いていくことを大方針としてきました。「集い」は、積極的支持者を増やすうえでも、選挙の「担い手」を増やすうえでも、党員を増やすうえでも、大きな力を発揮しています。
統一地方選挙で定数2の県議選で議席を奪回した和歌山県・西牟婁郡区では、昨年春から「集い」を60回開催し、600人以上が参加しています。「話を聞いてほしい、聞かせてほしい」という姿勢で集落まで出向き、ご近所の人を集めてもらって小規模の「集い」を開くことを重視してきました。「集い」では、国政、地方政治、身近な要求から、党の綱領、理念、党名の問題まで、関心にこたえて縦横な対話になっているとのことです。勝利をかちとった高田由一県議は、「このとりくみが、支持拡大にとりくんでくれる人の幅を広げ、支持拡大の爆発を生み、勝ち抜く力となった」と語っています。
参議院選挙にむけ、すべての支部・グループが「集い」を気軽に繰り返し開き、国民の関心・疑問にかみあって党の魅力を大いに語り、積極的な党支持者を大いに増やし、激戦をかちぬくことを、心から呼びかけるものです。
維新の会とのたたかいについて
論戦問題の最後に、維新の会とのたたかいについてふれておきたいと思います。
維新の会は、大阪知事選・市長選、衆院大阪12区補選の結果をテコに、「改革者」としてのポーズをとって、再び国政で影響力を強めようとしています。しかし、党大会の中央委員会報告でのべたように、「維新の会が、国会でやっていることは、安倍政権に媚(こ)びへつらうことと、野党共闘を攻撃すること――この二つだけ」であります。
この勢力は、一貫して、安倍首相の改憲策動のお先棒をかついできました。維新の会は、「維新は改憲に必要な3分の2の勢力の中に入る」、「衆参両院の憲法審査会の議論をリードし、国民投票を実現する」、「自衛隊についても不毛な議論に終止符を打つべく党としての結論を得る」などと公然とのべ、安倍改憲の「突撃隊」の役割をはたしています。吉村大阪府知事は、「憲法改正一生懸命にやらないのが自民党。情けない。ダイナマイトみたいにボカンと国会でやりたい」などと改憲をけしかける発言を行っています。
カジノの解禁・導入は、維新の会の存在なくしてありえませんでした。松井前大阪府知事、橋下元大阪市長は、安倍首相、菅官房長官と幾度となく会談し、大阪でのカジノ誘致をめざし、カジノ解禁・導入を要請し、協力を誓いあっています。大阪と兵庫の小選挙区への対応で公明党を脅しつけて、強行採決へのシナリオをつくったのも維新でした。
全国で大問題になっている国民健康保険料(税)の連続・大幅値上げを先取りして進めたのも、大阪維新です。早くも2010年~11年に、大阪の維新府政は、国保を府に「統一」し、府が「保険料率」を決め、市町村の「法定外繰入」をやめさせて、保険料(税)値上げを押し付ける方針をうちだしています。安倍政権が今やっていることは、当時、維新府政が導入した手法を全国に押し広げたものにほかなりません。
このどこが「改革者」か。安倍政権の「別動隊」「突撃隊」として動き、安倍政権の悪政を先取りする「先兵」として働く。これが維新の会の正体にほかなりません。こうした勢力に日本の未来を託すことは決してできません。参議院選挙では、安倍政権、自民・公明とともに、その補完勢力――維新の会にも厳しい審判をくだそうではありませんか。
四、選挙戦をいかにたたかうか――宣伝・組織方針
報告の第三の主題は、参議院選挙の宣伝・組織方針についてであります。
「比例を軸に」を絶対に言葉だけにせず、文字通りつらぬく
比例こそ選挙戦の主舞台――これまでにない割り切り方で、文字通り中心にすえる
まず強調したいのは、全党が「比例代表選挙を軸にする」ということを、絶対に言葉だけにせずに、文字通り貫くということです。
すなわち、政党選択を争う比例代表選挙で、日本共産党に投票する支持者をどれだけ広げるか。これが全国的にはこの選挙戦の主舞台だという構えをしっかりと確立する。この主舞台でたたかいぬき、日本共産党の支持票を広げれば広げるほど、三つの現職区をはじめ複数選挙区での勝利も、野党共闘でたたかう1人区での勝利の道も開かれる。そういう位置づけを、過去のどの参議院選挙でもなかったような割り切り方で、文字通り中心にすえることが何よりも大切であることを、まず強調したいと思います。
比例代表選挙は、最もたたかいやすく、たたかいがいがある選挙
そのうえで強調したいのは、比例代表選挙は、日本共産党員にとって、最もたたかいやすく、最もたたかいがいがある選挙だということです。
――比例代表選挙は、全国がどこでも必勝区であり、すべての都道府県、地区委員会、支部が必勝区であり、どの1票も議席に結びつく選挙です。
――「全国は一つ」のたたかいが最もダイナミックに展開できる選挙です。結びつき・マイ名簿を生かし、全国のあらゆるつながりを生かして対話・支持拡大を広げに広げましょう。職場支部の力、各戦線・各分野の力を縦横に発揮して選挙をたたかいましょう。
――候補者は知名度抜群の日本共産党であり、“一人ひとりの党員が候補者”の選挙です。「共産党のここが好き」を自分の言葉で語り、入党の初心を語ることは、日本共産党員であれば誰でもできる活動です。選挙をともにたたかう後援会員、読者、支持者にも、「共産党のここが好き」を大いに広げてもらうように訴えましょう。
――国政の争点は、消費税の問題でも、雇用・社会保障・教育の問題でも、憲法の問題でも、原発の問題でも、米軍基地の問題でも、どれも身近でわかりやすく、誰にでも語れるものです。
――参議院選挙で、有権者は2票もっていることを強調したいと思います。たとえ選挙区では支持が得られなくても、あるいは野党統一の候補者への支持を訴える場合でも、「比例は共産党へ」という訴えを広げに広げようではありませんか。
――「比例代表選挙では日本共産党と書いてください」と訴えて選挙をたたかいます。このなかで7人の比例候補が魅力と実力にあふれるベストチームであることを広く知らせていきます。7人の比例候補の当選の最大の保障は、全国が力を一つに集めて「850万票、15%以上」をやりきることにあります。そのとりくみのなかで、党員は、比例代表の担当地域の候補者名で投票を行うこととします。
すべての支部、地区、都道府県が、比例代表選挙を「自らの選挙」として
さらに訴えたいのは、すべての支部、地区、都道府県が、比例代表選挙を「自らの選挙」としてたたかいぬこうということであります。
統一地方選挙は、地区委員会や支部の奮闘が、候補者の当落と直接むすびつくたたかいであり、いやおうなく「自らの選挙」となったと思います。統一地方選挙は、そういう立場での大奮闘が全国で展開されました。全国一区の比例代表選挙で、この精神を発展させることができるかどうか。そこには特別の意識性・党派性が必要になります。それは綱領路線の実現をめざす日本共産党員の根本姿勢が問われる問題であります。
すべての支部、地区委員会、都道府県委員会が、「850万票、15%以上」にみあう得票目標を決め、参議院選挙、とりわけ比例代表選挙を、文字通り「自らの選挙」として、統一地方選挙で発揮した以上の力と情熱を傾けてとりくむことを、心から訴えるものです。
すべての地方議員、統一地方選挙をたたかった候補者のみなさんが、「担い手」を広げることをはじめ、比例代表選挙を自分自身の選挙以上の力を発揮してとりくみ、日本共産党躍進の先頭に立つことを、心から呼びかけるものです。
選挙をたたかう態勢についても、私たちは、統一地方選挙の前・後半戦を通じて約1600人の候補者を支える選挙態勢をつくってたたかいました。そのすべてを今度は参議院選挙をたたかう態勢へとさらに発展させることを訴えます。
「担い手」を広げることに徹してたたかいぬこう
選挙戦をいかにたたかうかについて、いま一つ強調したいのは、党の自力そのものを強くする仕事にとりくみながら、私たちのもつあらゆる可能性を生かし、選挙をともにたたかう「担い手」を広げに広げることです。いかにして「担い手」を広げるか四つの点を強調したいと思います。
「担い手」を広げる中心は、すべての支部と党員の総決起にある
第一に、「担い手」といった場合に、その中心は、すべての支部と党員の総決起にあるということです。
統一地方選挙でも、この点でのすぐれた経験が全国に生まれました。
栃木県宇都宮市の党組織は、前半戦で野村節子県議の連続当選を実現し、後半戦の市議選でも2人から3人に前進しました。県議の連続勝利、市議の3人当選は、ともに20年ぶりの快挙であります。選挙に向けて、地区委員会は、全支部・全党員決起に一貫して努力し、33支部のうち31支部が立ち上がりました。毎週、支部長を含む個別選対の会議を行い、「党員は、報告がなくても必ず周囲に声をかけている。その中身をつかもう」と励まし合い、結集したすべての支部が対話に立ち上がりました。地区委員長の横山明同志は、次のように語っています。「『愚痴と言いわけは言わない。党は力を持っている。なにがなんでもやりぬく』とがんばってきました。なによりうれしいのは、党支部が次々立ち上がりそのことを証明できたことです」
「愚痴と言いわけは言わない。党は力を持っている」――地区委員長として素晴らしい姿勢だと思います。
こういう姿勢、活動にも学んで、全支部・全党員の総決起のための努力を、全国すべての都道府県、地区委員会、支部でやりぬこうではありませんか。
読者、後援会員、支持者のすべてを対象に「折り入って大作戦」を行おう
第二に、読者、後援会員、支持者のすべてを対象に、「担い手」になっていただく「折り入って大作戦」にとりくむことを呼びかけます。
報告の冒頭で紹介した埼玉県の荻原県委員長がのべているように、「支持者・読者・後援会員は支持拡大の対象ではなく、『担い手』の対象として働きかける」という立場で、協力をお願いしましょう。
統一地方選挙で、日本共産党の候補者への支持を約束してくれた人は、全国で約400万人います。そのすべての方々に、お礼もかねて働きかけ、「今度は支持を広げてください」と率直に訴えましょう。
わが党は、338万人の後援会員、100万人を超える「しんぶん赤旗」読者をもっています。そのすべての方々に、党への要望も聞きながら働きかけ、選挙の「担い手」になってもらうために力をつくしましょう。
「担い手」といった場合、対話・支持拡大の協力とともに、ポスティングやスタンディングなど宣伝での協力、募金での協力など、あらゆる形で協力の輪を広げましょう。
「折り入って大作戦」で勝利への道をこじあけようではありませんか。
ネット・SNSを積極的に活用し、市民やサポーターとともにたたかう選挙に
第三は、市民とともにたたかう選挙にしていくことです。
私たちは、市民と野党の共闘にとりくむなかで、新しい友人をさまざまな形で広げています。統一地方選挙では、保守の方々を含む市民との共同で勝利をかちとった経験が全国各地に生まれました。定数1で、県議を8期つとめた自民党の現職県議を相手に勝利をかちとった和歌山県御坊市区のたたかいでは、自民党の派閥領袖の圧力と支配、利益誘導がまかり通っている政治を変えようと立ち上がった保守の人々との共同が勝利の大きな力となりました。こうしたとりくみを、参議院選挙に向けて、大いに発展させましょう。
昨年2月に発足したJCPサポーターは、登録者が1万人を超え、統一地方選でも各地の事務所に「手伝いたい」と連絡が入り、さまざまな協力が広がりました。ある県では、JCPサポーターに登録していた学生が、党演説会に参加したことをきっかけに地元の党組織とつながり、県議候補のプロモーションビデオの作成に協力してくれ、DVDにして街頭でも渡すなど3000枚が活用され、選挙勝利の力となりました。東京・府中市では、34歳の市民が市議候補の事務所を「応援したい」と訪ねてくれ、候補者の「動画ブログ」を連日SNSにアップして反響を呼びました。ネット・SNSを積極的に活用し、市民やサポーターとともにたたかう選挙にしていこうではありませんか。
民青同盟と力をあわせてたたかい、民青同盟を大きくする選挙に
第四は、民青同盟のみなさんと協力して、選挙をたたかうことです。
民青同盟は、統一地方選のなかでも学生新歓運動に積極的にとりくみ、全国84学園で400人以上の同盟員を増やしています。班活動への参加の努力が強まり、新入生同盟員の「やりたいことを出発点」とした魅力ある班活動や、『日本共産党綱領セミナー』『マルクスと友達になろう』などの学習の努力が強められています。
学生新歓の対話では、「学費が高すぎる」、「奨学金の借金が心配」などの切実な要求とともに、格差と貧困の拡大、女性差別とジェンダー平等の問題など、日本社会のあり方や社会のゆがみ、さらに資本主義の限界などに対して、「なぜ」「どうしたら」という模索が広がっており、そうした模索にこたえる対話にとりくむなかで、民青同盟への加盟が広がっています。
都道府県、地区委員会ごとに、民青同盟のみなさんとよく相談し、歴史的選挙を力をあわせてたたかい、民青同盟を大きくする選挙にしていこうではありませんか。
「参議院選挙必勝作戦」を呼びかける
参議院選挙は、すでに本番さながらの大激戦となっています。私たちは、統一地方選挙にむけ、1月から3月にかけて「必勝作戦」にとりくみましたが、これが力になったとの報告が全国各地から寄せられています。
そうした経験もふまえ、第6回中央委員会総会として、想定される参議院選挙の公示日・7月4日までに、次の二つの課題をやりとげる「参議院選挙必勝作戦」にとりくむことを、呼びかけます。
勝利に必要な草の根での宣伝・組織活動を「担い手」を広げながらやりぬく
第一は、選挙勝利に必要な草の根での宣伝・組織活動を、全党の底力を発揮し、「担い手」を広げに広げながらやりぬくことであります。
すべての支部・グループが会議を開き、得票目標を決め、その実現をめざし、要求にこたえた活動、声の宣伝やポスターなど大量宣伝、「集い」に大いにとりくみながら、支持拡大目標をやりきりましょう。すべての支部で単位後援会を確立し、後援会員を拡大し、ともにたたかう態勢をつくりましょう。党費納入の向上をかなめにしつつ、選挙勝利をめざす財政づくりのための募金運動にとりくみましょう。5~6月に予定されている全国遊説を、躍進の流れをつくる跳躍台として大成功させましょう。
公示日までに勝利に必要なとりくみをやりぬき、選挙戦本番では、期日前投票に積極的にとりくみながら、日本共産党への支持を青天井に広げる。そうした選挙戦を、今度こそやりぬこうではありませんか。
新鮮な力を党に迎え入れ、読者を増やし、党勢の上げ潮のなかで選挙をたたかおう
第二は、党の自力をつけながら、選挙をたたかうことであります。
公示日までに、すべての支部・グループが新しい党員を増やし、新鮮な活力を迎え入れて、ともに選挙をたたかいましょう。すべての支部・グループが1人以上の党員を迎えるならば、全党的には前回参院選時を上回って選挙をたたかうことができます。
「しんぶん赤旗」読者で、日刊紙でも日曜版でも、毎月前進をかちとり、すべての都道府県、地区委員会、支部が、参議院選挙を、少なくとも前回参院選時を上回る読者でたたかいましょう。全党的には、日刊紙読者を2万4千人以上、日曜版読者を12万人以上増やす必要がありますが、1支部あたりにすれば、日刊紙読者で1人以上、日曜版読者で7人以上増やせば、前回参院選時を上回って選挙をたたかうことができます。『女性のひろば』の読者を増やすことも、あわせて訴えたいと思います。
日々、新鮮な力を党に迎え入れ、読者を増やし、党勢の上げ潮のなかで選挙をたたかい、党の自力をつけながら勝利をつかもうではありませんか。
今日を新たなスタートに、党機関から党支部まで、選挙をたたかう臨戦態勢をただちに確立し、「参議院選挙必勝作戦」をやりぬき、全国のみんなの力を一つに集めて、日本共産党の前進・躍進を必ずかちとろうではありませんか。
報告の最後に一言のべます。幹部会報告を受けての討論では、「参議院選挙でいかに勝つか」――ここにズバリ焦点をあてた討論をすすめたいと考えます。勝利への道筋をみんなでつかむ充実した討論を呼びかけて、報告を終わります。