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2019年5月10日(金)

国際的な人権水準守れ

藤野議員 出入国管理問題で追及

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(写真)質問する藤野保史議員=8日、衆院法務委

 日本共産党の藤野保史議員は8日の衆院法務委員会で、合理的な理由のない長期収容など非人道的な扱いが問題になっている入管収容施設の運用を、最高裁判決を盾に“国家の自由裁量だ”と正当化する政府に対し、裁量権の行使は国際的な人権水準を踏まえなければならないと追及しました。

 入管施設をめぐっては、長期収容や自由の制限など人権無視が横行し、収容に関する当局の裁量が広すぎるとの批判が上がっています。国連も改善を勧告しています。

 山下貴司法相は、1978年の最高裁「マクリーン判決」を根拠に、出入国管理は「国際慣習法上、国家の自由裁量に属する」とし、「健全な裁量権の行使だ」と居直っています。

 藤野氏は、78年以降、国連で社会権・自由権規約が発効するなど、同判決の依拠する国際慣習法は大きく発展しており、「国家や法相の裁量は国際的な人権諸条約の到達を踏まえたものでなければならない」と追及。山下法相は「諸条約には在留の拒否等に関する国家の裁量を制限する規定はない」と述べました。

 藤野氏は、入管当局の不当な判断が裁判で覆された事例を分析し、「マクリーン基準(判決)を盾に個別審査をなおざりにし、憲法による基本的人権の保障を軽視」していると指摘した元最高裁判事の泉徳治氏の論考を紹介。「同判決を根拠に、『自由裁量の範囲だ』と居直るのはやめるべきだ」と迫りました。山下法相は国際水準に沿う必要性を認めつつ、「諸条約も踏まえた判断を行っている」と強弁しました。


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