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2019年3月31日(日)

きょうの潮流

 知り合いの中華料理屋の店主がぼやいていました。バイトの中国人女性が突然、辞めてしまったといいます。働きながら学校に通っていたそうですが、そこに連絡してもわからないと▼「いっぱいいます。半分くらい」。クラスの仲間が次々に消えていく実態をテレビで話していました。3年間で1400人もの留学生が所在不明となっている東京福祉大学。掲げる学習や生活の親身な支援どころか金もうけの手段にしていたことがわかってきました▼教室をはじめ体制も整っていないのに、研究生と称する非正規の学生を大量に受け入れる。それを主導した大学創設者の発言を本紙日曜版が報じています。「4年間やったら120億だよ」「そしたらガバチョ、ガバチョ」―▼ずさんな受け入れの背景には「留学生30万人計画」をたてた国の政策も。国際貢献の名のもとに急増させながら、その多くは「出稼ぎ労働」の抜け道になってきました。しかも、この大学を運営する学校法人の理事を安倍政権の副大臣が兼任し、多額の報酬を受け取っています▼外国人労働者の使い捨てと批判されながら、数の横暴で強行した改定入管法があす施行されます。新たに43人の実習生の死亡が判明し、違法な働かせ方や無権利状態が解決されないなかで▼「まじめに働き、故郷の家族にも仕送りをしていたいい子だったのに…」。先の店主はいいます。夢や希望を胸に日本にきた若者たち。それを食い物にする国に共生の社会や世界をつくることはできません。


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