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2019年3月28日(木)

きょうの潮流

 「知華は悪くなかったと伝えたい」。熊本県立高校の女子生徒が自殺したのはいじめが原因だと認められたとき、両親が記者会見で娘の実名を明らかにして語った言葉です▼いじめ自殺にかかわるニュースが連日のように報道されています。しかも、わが子を失いながら、その原因がいじめとなかなか認められない現状があります。親たちの無念はいかばかりか▼茨城県取手市で女子中学生が自ら命を絶った事件では、いじめとの因果関係が認められるまで3年かかりました。「娘が日記にそのまま書き記しているのに、なぜすぐに認めてくれないのかと、壊れそうな精神状況だった」と父親。「当然のことを認めるのにあまりにも長すぎる」とも▼いじめで子どもが命を失うようなことはなくさなければなりません。子どもや親が訴えてもいじめだと認めなかったり、表面的な「仲直り」ですませたり、対応を担任まかせにしたり。そんなことが何度繰り返されてきたことか▼いじめが原因と疑われる自殺があっても、事実を隠したり、責任逃れをしたりする学校や教育委員会が少なくありません。でも、子どものことを真剣に考えるなら、真実をきちんと明らかにしてほしい▼いじめ自殺がなくならない現状に、対処しなかった教員の処分を法制化してほしいという声もありますが、現場が萎縮しては逆効果。大切なのは事実を丁寧に検証して、子どもを守るためにできることを考え合い、人と予算の手当てを含め、急いで力を出し合うことです。


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