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2019年2月22日(金)

きょうの潮流

 「社会の競争的な性格により子ども時代と発達が害されることなく、子どもがその子ども時代を享受することを確保するための措置をとること」。国連の子どもの権利委員会が今月1日に採択した日本政府に対する意見の中の言葉です▼競争に駆り立てられる社会の中で、日本の子どもたちが子どもらしく生きる時間を奪われているという指摘です。格差と貧困を広げる安倍政権のもと“生き残るためには競争に勝たなければ”と強いられている状況を、変えるように迫っているといえるでしょう▼おとなたちは子どもとじっくりと接する余裕を奪われています。子どもたちは学力テストの点数を競わされ、ゆっくり考えたり、遊びの中で成長したりする機会を損なわれています▼“競争に勝たなければ”という雰囲気の中では仲間と一緒に力を合わせていこうという気持ちが育ちにくくなります。学校でいじめがはびこる理由の一つでしょう▼それなのに大阪市では、学力テストの平均点をあげるためテスト結果を校長の人事評価や学校予算に反映させる方針だといいます。競争で強いられた学びでは本当にその子が生きていく力にはならないのに▼34年前にユネスコが採択した「学習権宣言」は「(学習は)人々をなりゆきまかせの客体から自分の歴史をつくる主体に変えていくものである」と述べています。他者に勝つために学ばされるのではなく、自分らしい生き方を主体的に選ぶため豊かに学ぶ。それこそ子どもたちに保障したい学習です。


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