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2019年2月16日(土)

自民党の自衛官募集“圧力”

地方議会抑え込み狙う

安倍発言を後押し

沖縄2紙示し

写真

(写真)自衛官募集で自治体をチェックするよう求めた自民党の文書に添付された沖縄地元紙の記事

 自民党が党所属国会議員に自衛官募集で自治体の協力状況を点検するよう求める文書を出した問題で15日、沖縄県の地元紙2紙のコピーをあわせて配布したことが分かりました。地元紙の記事は、自衛隊に住民の個人情報を提供した宜野湾市と沖縄市が議会で謝罪に追い込まれたことを報道しています。自民党文書はこの動きを「看過できない」と強調するなど、9条改憲にからめて自治体の「6割以上が協力を拒否している」とした安倍晋三首相の発言を後押ししています。

 自民党文書に添付されていたのは、琉球新報と沖縄タイムスが2015年10月と12月に報じた四つの記事です。琉球新報は同10月に、沖縄市と宜野湾市が、自衛隊の求めに応じて、住民基本台帳から18~27歳未満の約2万4000人分の氏名、生年月日、住所、性別を本人の同意を得ずに提供したと報道。沖縄タイムスは、同12月に両市が市議会で追及をうけ、「市民に不安を与えた」(沖縄市)「配慮不足だった」(宜野湾市)と謝罪したことを報じています。

 自民党が14日に党所属国会議員に配布した文書では、「一部の地方議会においては、左派系会派からの要求に応じて、法令に基づき募集対象者情報の提供を行った行政側が謝罪を行う事態にまで発展しており、看過できない」と強調。文書は、あたかも法令に基づき自治体に協力義務があるかのように説明しています。

 自衛隊からの個人情報提供要請について、日本共産党の春名直章議員(当時)が03年の衆院個人情報特別委員会でただした際に、畠中誠二郎総務省自治行政局長(当時)が住民基本台帳法には「(自衛隊への)提供の規定はない」と明言。石破茂防衛庁長官(当時)も「私どもは(自治体に)依頼をしているが、応えられないということであれば、いたし方ない」と答弁しており、自治体に協力義務がないことは明確になっています。

 日本共産党の志位和夫委員長は安倍首相の発言について、会見(14日)で「9条改憲の狙いの一つが、自治体から若者の名簿を強制的に召し上げることにあることを自ら告白するものだ」と指摘しています。


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