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2019年2月3日(日)

きょうの潮流

 「子や孫のために」。沖縄の辺野古新基地建設に反対するため、行動を続けている人たちの共通した思いです。筆者も同じです。日々のさまざまな苦労は、未来を生きる子どもたちのためにあるのだと思っています▼だからこそ、未来を託すべき子どもたちの悲惨な事件のたび、身もだえするような感情を覚えてしまいます。千葉県野田市での小4女児の死亡事件。実父による虐待との関連が疑われているこの事件で、信じられない事実が▼女児は一昨年の11月、学校のアンケートに「ぼう力を受けています」「先生、どうにかできませんか」と書きました。自らの状況を記した勇気は、本当にすばらしかった。ところが、市教育委員会は昨年、アンケートのコピーを父親に渡してしまったのです。アンケートには「秘密を守ります」と記されていたのに、です▼市教委は父親から恫喝(どうかつ)を受け、圧力に屈したとしています。あり得ない事態です。これを契機に虐待が激しさを増し、女児がアンケートに正直に書いたことを悔いるかもしれないことは容易に想像できたはずです▼秘密を守らなかった市教委は、この女児だけでなく、結果として、おとなを頼りにする子どもたち全体を裏切ったことになります。その責任はあまりにも大きい▼なぜこんなことが起こったのか。どうすれば防げたのか。関係者の処分で終わらせるのではなく、徹底的な検証が求められます。子どもの命と未来を守る、そのために必要な体制を。声をあげるのは私たちおとなの責任です。


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