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2019年1月26日(土)

きょうの潮流

 冷たい朝の空気に体がこわばる日々。春の訪れはまだ見えません。それでもこの知らせに少し心がほぐれます。選抜高校野球の出場校が25日、発表になりました▼3月、球音とともに春の息吹を運んでくれる。今年はそのあり方を考える新たな風も伴っています。昨年末、新潟県高校野球連盟が勇気ある一石を投じました。春の県大会で投手の球数制限を設けると公表しました。全国初の試みです▼子どもから高校まで投手の「投げすぎ」は長年の課題です。昨夏、甲子園で準優勝した金足農の吉田輝星(こうせい)投手は、6試合で881球を投げました。その活躍とともに、投球過多を心配する声が上がりました。酷使を強いる“愚”を断ち切ることはできないものか▼少年からプロ野球選手までの肩、ひじを診ている専門医に話を聞きました。北関東のその病院に痛みを抱えて訪れる小中高校生は年間約700人。うち手術にいたるのは約200人にも及びます。「子どもを守るため、投球数制限は絶対に必要です」。その指摘はあまりに重い▼プロ野球、横浜DeNAの筒香嘉智(つつごうよしとも)選手も現状を憂える一人です。27日号の本紙日曜版で訴えます。指導者は「勝つことがすべてで、子どもたちを追い込む。…野球がおとなの自己満足になっていないか。おとなが変わらないと子どもがつぶれてしまう」▼言葉の端々に強い思いがにじみます。現状をよしとすることはもはや“罪”です。いまこそおとなが知恵を絞らなくては。球児の未来に本当の春を届けるために。


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