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2019年1月25日(金)

郵政非正規格差是正裁判

一審上回る支払い命令 大阪高裁

契約「5年超」に限り

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(写真)裁判所前で横断幕を掲げる支援者ら=24日、大阪高裁前

 広島県や大阪府などで働く日本郵便の期間雇用社員8人(郵政産業労働者ユニオン組合員、うち退職者1人)が、正社員と手当や休暇の格差があるのは違法だとして格差是正を求めた訴訟の控訴審判決が24日、大阪高裁でありました。中本敏嗣裁判長は手当と休暇の格差を不合理と認め、一審を上回る約433万円の支払いを命令。一部の手当と休暇は、契約期間が通算5年を超える期間雇用社員に限り不合理な格差としました。

 労働契約法20条は、雇用期限を理由とした不合理な待遇差を禁止しています。期間雇用社員は正社員と夏期・年末手当(賞与)に年間100万円近い差があり、「不合理」な格差にあたると主張していました。

 二審判決は一審同様、住居手当の格差を「不合理」と判断。しかし、年末年始勤務手当の格差は契約期間が通算5年を超えた場合は「不合理」とし、範囲を限定しました。

 祝日給と夏期・冬期休暇、病気休暇は新たに「不合理」と判断。賃金相当額の損害などを認めたものの、「5年」を超えた場合としました。

 契約社員について、短期雇用を前提とし、柔軟に労働力を補充するための雇用区分であるなどとして格差を容認する一方、「有期契約を反復更新し、通算期間が長期間に及んだ場合は相違を設ける根拠が薄弱になる」などとしています。

 扶養手当は一審と異なり、「長期雇用を前提として基本給を補完する生活手当」として格差を容認。賞与も「人事上の施策として一定の合理性がある」などとして一審同様、格差を容認しました。

 原告代理人の河村学弁護士は、「5年で分ける考え方は極めて特異で法律の趣旨にも反する」と批判。上告する考えを示しました。

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