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2018年12月25日(火)

社会保障費4.3兆円削減

安倍政権7年間 年金は2兆円

 2019年度政府予算案に基づくと、安倍晋三政権が13年度以降の7年間で削減する社会保障費は、額が判明するものだけで4兆2720億円に達することが本紙の試算でわかりました(表)。18年度までの6年間の社会保障費削減額は少なくとも3兆8850億円でした。19年度は3870億円を削減しようとしています。

 額が大きいのはマクロ経済スライドの発動による年金支給額の削減です。19年度には約2500億円(0・5%)の年金支給額を実質的に削減することを狙います。安倍政権の7年間で年金削減額は2兆円に達します。

 マクロ経済スライドは、物価・賃金の上昇に伴って本来引き上げるべき年金支給額を、少子高齢化の進展に合わせて削減する仕組みです。小泉純一郎政権が導入したこの制度を安倍政権はさらに改悪。物価・賃金の上昇率が低くて削減しきれない場合、翌年以降に繰り越して削減する仕組み(キャリーオーバー)を導入しました。これにより19年度の削減幅は0・2%から0・5%へ拡大しました。

 75歳以上の後期高齢者医療では保険料の「軽減特例」を、消費税増税と同時(19年10月)に廃止します。年金収入80万円以下の高齢者は平均月380円の負担が月1130円へ3倍に増えます。

 高齢化などで当然増える社会保障費の自然増分は19年度に1200億円削ります。安倍政権の7年間で1兆7100億円もの削減になります。19年度は生活保護の生活扶助費を切り下げます。18年10月から3年間で合計210億円(うち国費160億円)の削減を狙います。

 政府が社会保障の予算(国費)を削れば給付費が減ります。給付費は公費(地方自治体)や保険料も財源に含むので、国民生活への打撃は国費の削減額以上に膨れあがります。

 他方、政府は3歳以上の幼児教育・保育「無償化」などを社会保障「充実」と呼びます。しかし給食費を無償化の対象外にした上、待機児童対策と称して規制緩和と詰め込みを進めています。しかも財源は消費税の増税分です。所得が低い人ほど負担割合が大きくなる消費税の増税は、社会保障の目的の一つである所得再分配=格差是正に逆行します。

 日本共産党は富裕層・大企業優遇税制の見直しなどで財源をつくり、幼児教育・保育の完全無償化と認可保育所の抜本的増設を同時並行で実現する政策を対置しています。(杉本恒如)

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