2018年12月23日(日)
立候補の自由 奪う
供託金違憲訴訟 報告集会
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300万円の供託金を用意できなかったために衆議院選挙に立候補できなかった男性が「世界一高い供託金によって立候補の自由を奪われた」として国に損害賠償を求めた裁判の第11回口頭弁論が21日、東京地裁(杜下弘記裁判長)で開かれました。
弁論後、都内で開かれた報告集会で、一橋大学の只野雅人・法学研究科教授は、1925年に普通選挙法とあわせて導入された供託金について、当時の有力な学者が「普(通)選(挙)の精神を蹂躙(じゅうりん)したもの」「制限選挙を復活させるもの」などと厳しい批判の声があったことを紹介しました。
国側は裁判で、「泡沫(ほうまつ)候補者」の乱立防止のために供託金制度が必要としています。この主張について、只野教授は「お金さえあれば簡単に立候補できてしまう。悪意の有産者を阻止することができない。真面目な候補者が排除されてしまう不合理さもある」と指摘しました。さらに「供託金を設けた目的が正しいとしても、ここまで高額にする必要があるのか」と問いかけました。
集会では、原告の近藤直樹さん=さいたま市=が支援者らに謝意を表明。弁護団団長の宇都宮健児弁護士らが発言しました。