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2018年12月17日(月)

きょうの潮流

 パートで働いている知人の女性から最近聞いた話です。職場でリンゴをむいていたら、上司の男性から「○○さんもこんな女らしいことできるんだ」といわれたそう。軽口と思って聞き流したが、嫌な気分になったと▼だいぶ前に『話をきかない男、地図が読めない女』と題する本が話題になりました。男女が違うのは遺伝子やホルモンのせいであり、性質や行動の違いは進化の過程で身につけた男脳・女脳に原因があるというものです▼その主張は科学的な根拠がなく、社会によってつくられた先入観や価値観を助長すると批判されました。実際、女らしく男らしく、というジェンダー・ステレオタイプは今も根強く横たわっています▼女子の方がコミュニケーション能力が高く、男子を救う必要があった―。大学医学部の不正入試をめぐり、順天堂大学が発した釈明が波紋を広げています。ほんらい個人に違いを求めるべき能力を性差にあてはめる。妥当性もないまま機械的に▼複数の大学で明らかになった入試差別。個々を公平・平等に評価すべき受験で、女子という枠にくくって不利に扱う。今の政権からも女性を蔑視する発言が相次いでいますが、そうした言動が社会に偏見をまき散らしていることがわからないのか▼先週金曜の夜、順大前で抗議する学生らの姿がありました。キャンドルを手にした静かな悲しみと怒りの表明は多くの声を代弁していました。性によって差別されない、だれもが自分らしく生きられる社会をつくりたいと。


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