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2018年11月30日(金)

きょうの潮流

 「まだ米国に占領されている国なんだよ」。元陸上自衛隊幹部が自嘲気味に語っていました。挙げたのは、米軍横田基地(東京都)が首都圏上空の航空機の管制を握っている問題です▼北は新潟県から南は静岡県に及ぶ巨大空域を避けるため、民間機は遠回りで時間も燃料費もかかる飛行を強いられています。戦後70年以上たっても首都の空が米軍に支配されている現実に、いら立ちを隠せなかったのでしょう▼握られているのは自衛隊の装備も同じ。トランプ政権の兵器売り込み攻勢のもと、来年度の防衛省概算要求は過去最大の約5兆3千億円。最新鋭戦闘機F35A6機(916億円)や無人偵察機グローバルホーク1機(81億円)など米国製兵器が目白押しです▼「高額米国製輸入兵器ばかり!」。そんな見出しが躍るのは、軍事情報専門誌『軍事研究』(12月号)の予算特集。陸上配備型迎撃システム「イージス・アショア」をとりあげた論文は、価格高騰や電磁波などへの住民の不安を紹介しています▼配備が決まったポーランドでは35キロ圏内に15メートルの高さ制限があると指摘した日本共産党の穀田恵二衆院議員の論文(『前衛』9月号)を引用し、「イージス・アショアでは土地利用も問題化する」▼筆者は海自幹部出身の軍事ライター。問題が噴き出す背景に安倍政権が「北朝鮮弾道弾の脅威を過度に強調してきた」ことを挙げ計画の再検討を提言します。元自衛官の言葉から際立つのは、どこまでも米戦略をささえる安倍政治の異常さです。


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