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2018年10月21日(日)

きょうの潮流

 ふだん何気なく使っている言葉の中には中国語に由来したものが多い。最近知った一つに「ぺてん」があります。語源字典には人をだます意の「騙(へん)」を中国語風に発音した和製中国語だと▼ペテン師とは巧妙に人をだまし利益をあげる悪者。いかさま師や詐欺師のたぐいですが、世を騒がせた地面師も同類です。他人の土地を自分のものと偽って売り渡し、巨額を得たりするわけですから▼いま問題の免震不正もその一種でしょう。油圧機器大手が工期を守るために必要な作業を省き、検査データを改ざんしていました。安全をだました疑いのある物件には、防災の拠点となる庁舎や病院などの施設が多く含まれています▼製造や建設業に携わる企業の相次ぐ不祥事は、日本のモノづくりの土台を掘り崩しています。それが社会にまん延すれば、人びとを結びつける信用や信頼の輪が壊れ、疑心暗鬼がはびこる殺伐とした世になりかねません▼「ぺてん」を調べたのは今月初めの夕刊紙の一面がきっかけでした。安倍新内閣発足を前に「壮大なペテン政治 聞き飽きた御託」という見出しが躍り、「ヤルヤル詐欺政権に何ができるものか」と▼沖縄県知事選で敗れたあと「県民の気持ちに寄り添う」といいながら新基地工事の再開をはかる。米国との貿易交渉で日本語訳をねつ造する。モリカケでもしかり。その場しのぎのうそをするするとつく首相の姿は、まさに「ペテン政治」の象徴か。こんな言葉が社会に横行すること自体、この国の不幸です。


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