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2018年10月4日(木)

主張

教育勅語復活発言

形変えても本質は変わらない

 安倍晋三首相による内閣改造で文部科学相として初入閣した柴山昌彦氏が就任会見で、教育勅語について「アレンジした形で今の道徳に使うことができる分野は十分にあるという意味では、普遍性を持っている部分が見て取れる」「現代的にアレンジして教えていこうという動きがある。検討に値する」などと発言しました。戦前、軍国主義教育を進める主柱となっていた教育勅語を、形を変えて復活させようというもので、国の文部行政の責任者が就任早々このような発言をするのは異常です。

侵略戦争に「命投げ出せ」

 教育勅語は戦前の教育の基本原理を天皇が示すものとして、1890年に出されました。

 勅語の本質は「一旦緩急あれば義勇公に奉じ以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし」という言葉に示されています。「重大事態があれば天皇のために命を投げ出せ」ということです。戦前の学校では、教育勅語が徹底して子どもたちにたたき込まれ、天皇と国家への忠誠を植え付けられた若者たちが、自らの命を捨て、相手の命を奪う侵略戦争に駆り立てられました。

 柴山文科相は勅語には「普遍性を持っている部分がある」といいます。これまでも自民党の政治家や閣僚などから同様の発言が繰り返されてきました。しかし勅語が示した「父母に孝に」などの「徳目」は結局のところすべて天皇に対する命がけの忠義に結び付けられていました。「父母に孝に」「夫婦相和し」などは、子は親に、妻は夫に絶対的に従うべきという考えに基づく「徳目」で、「個人の尊重」「両性の平等」などを定めた日本国憲法と相いれません。

 教育勅語は戦後、憲法の理念に反するとして1948年に衆議院で「排除決議」、参議院で「失効決議」が採択され、公式に廃止されました。衆議院の「排除決議」は教育勅語が「明かに基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残すもととなる」と指摘しています。いくら「アレンジ」して形を変えたところでその本質は変わりません。柴山氏は「国際的な協調を重んじるといった記載内容」をアレンジして教えるといいますが、侵略戦争のために使われた勅語で国際協調を教えるなどというのは歴史を無視した暴論です。

 柴山氏の文科相の資格が問われます。同氏は首相側近です。「教育行政の立て直し」といって文科相にすえた首相の責任は重大です。

 改憲を狙う安倍政権は昨年3月、教育勅語を学校で教材として使うことを容認する見解を閣議決定しました。今年度からは「道徳」が教科化され、「国や郷土を愛する」など国が定めた「徳目」にそった検定教科書を使用し、子どもの学習状況を「評価」するようになりました。子どもの内心の自由や教育の自主性を奪い、「戦争をする国」のための人づくりを進めようというもので、教育勅語の復活をもくろむのも、その一環です。

憲法にもとづいた教育を

 改造内閣は自民党の閣僚全員が改憲右翼団体と連携する議員懇談会に加盟するなど改憲、右翼志向が際立っています。柴山氏の発言はその危険性を象徴しています。

 安倍政権による教育勅語復活、「戦争をする国」のための人づくりを許さず、憲法にもとづいた教育を守り進めるため、世論と運動を広げましょう。


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