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2018年7月18日(水)

きょうの潮流

 看板倒れしているのに、看板だけは下ろさない―。原発から出る使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、再び燃料に使うという「核燃料サイクル」のことです。政府はずっと推進してきました▼再処理などを日本に認めた日米原子力協定が30年の満期を迎え、自動延長されました。核燃料サイクルの継続が認められます。今後、日米いずれか一方が通告すれば、半年後に協定を終了できるようになりました▼しかし、核燃料サイクルは行き詰まっています。プルトニウムを使う高速増殖炉「もんじゅ」は廃炉が決定。普通の原発でプルトニウムを混ぜた核燃料を使うプルサーマル発電は、電気事業連合会が16~18基を目指すとした計画からは程遠い現実です▼中心となる再処理工場はといえば、竣工(しゅんこう)時期を昨年末に3年延期すると発表したばかり。延期は24回目。取り出すことも使うこともままならない状態です▼再処理で取り出されるプルトニウムは核兵器の材料にもなる危険な物質です。日本は国内外に、核兵器約6千発分に相当する47トンを保有しています。仮に再処理工場が動きだせば、さらに増えることに。利用の見通しがないプルトニウムの保有は国際問題に発展しかねません▼核燃料サイクルは使用済み核燃料を資源と位置づけています。再処理で出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の処理・処分も見通せないのに。原発がトイレなきマンションといわれる理由です。どこからみても撤退しかないという現実ばかりでは。


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