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2018年7月14日(土)

きょうの潮流

 45年前、時代を変えたテニスの試合がありました。当時の女子世界チャンピオン対男子の元世界1位。米テキサス州で行われた一戦は全米のみならず、世界から注目を浴びました▼勝者となったのはビリー・ジーン・キング。彼女がたたかった相手はすでに第一線から退いていたボビー・リッグスではなく、性による差別でした。時代はオープン化に進んでいましたが、女子選手への偏見は待遇にも露骨に▼女子の試合を見に来る客などいないと公言する興行主。ウィンブルドンの女子シングルスの優勝賞金が男子の8分の1にされるなか、ビリー・ジーンは仲間とともに女子テニスのツアーを立ち上げました▼自分たちで後援先を探し、チケットを売り、宣伝活動に励む。白一辺倒だったウエアにも色とりどりで個性的なデザインを持ち込みました。男性優位主義の代表として挑んできたリッグスとの熱戦やツアー設立の奮闘ぶりは、公開中の映画「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」に詳しく▼男女同権を掲げた彼女たちのたたかいは今に生きています。四大大会の賞金に格差はなくなり、色つきのウエアやファンサービスは当たり前のように。一方で、男女差を強調する声もいまだに絶えません▼今年のウィンブルドン。出産からわずか10カ月で女子決勝に進んだセリーナ・ウィリアムズ選手は、人種差別ともたたかい続けてきました。「言葉や視線で私を深く傷つけることもできる。憎悪で殺すこともできる。それでも、私は、また立ちあがる」


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