しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年6月20日(水)

主張

「森友」問題追及

不信にこたえぬ政権は退陣を

 「森友」問題に決着はついたかとの設問に、「ついていない」などの回答が、「朝日」で79%、「読売」で84%、共同通信(「東京」など)で78%(いずれも18日付)―。新聞各紙の世論調査が改めて国民の不信を浮き彫りにしています。先々週公表された財務省の報告書は文書などの改ざんや隠ぺい、不当な値引きについて真相や責任を不問にしており、国民の疑念を深めるばかりです。週明けの参院決算委員会でも「森友」の質疑が行われましたが、安倍晋三首相にもまともに答弁する姿勢はありません。世論に逆らう政権にもう政治は任せられません。

責任は究明されていない

 財務省が4日発表した決裁文書の改ざんや交渉記録隠ぺいの報告書は、改ざんや隠ぺいは認めても、だれが何のために行ったのか責任を明らかにせず、もともと異例な国有地の貸し付けや異常な値引きがなぜ行われたのかは調査の対象外にしています。参院決算委は報告書について初めて首相に問いただす機会でした。

 財務省の報告書は、戦後政治史でも例がない国会での虚偽答弁や公文書の改ざん、隠ぺいは、佐川宣寿前理財局長の答弁に合わせたなどとして処分しましたが、なぜ行ったのかの解明はありません。「森友」問題が発覚した直後の2017年2月、首相が「私や妻が関係していたということになれば首相も国会議員もやめる」と国会答弁したことがきっかけではないかと指摘されているのに、財務省はそれを認めず、麻生太郎財務相も「それがわかれば苦労しない」と無責任な発言に終始しています。首相も決算委の答弁で、「行政府の責任」を言うだけで、自らの責任は認めません。

 「森友」問題の核心は、国有地の異例な貸し付けや売却の際の異常な値引きが、どのように行われたかです。小学校の「名誉校長」を務めた首相の妻の昭恵氏が、予定地を見て、「いい土地ですから、前に進めてください」と発言したことが伝えられて貸し付けが一気に進んだことや、昭恵氏が「棟上げ式」に来る予定と伝えられた後、大幅な値引きが決まったことなど、昭恵氏の関わりは明白です。

 決算委では日本共産党の辰巳孝太郎議員が、昭恵氏付きの政府職員が15年11月、一般的な制度の問い合わせにとどまらず、露骨に賃料の「優遇」を財務省に働きかけ、財務省近畿財務局は同日中に国有地を管理してきた国土交通省大阪航空局にも伝えていたことを内部文書で明らかにしました。昭恵氏の関与はいよいよ動かしがたく、政権が解明に背を向け続ける限り国民の不信は高まる一方です。

政権ぐるみの隠ぺいまで

 辰巳議員は質問で、財務省の求めで値引き額が増えるようゴミの見積もりを増量したとされる国交省が共謀し、財務省は「最高裁まで争う覚悟で」、首相官邸や法務省・検察も巻き込んで隠ぺいを続けようとした記録も明らかにしました。首相や財務相、石井啓一国交相はいずれも確認を拒みましたが、政権ぐるみの疑惑は濃厚です。

 安倍政権が真相を全面的に明らかにし、責任を明らかにしない限り、国民の信頼は得られません。真相解明に背を向け「働き方」改悪法案やカジノ法案など悪法を推進するなどまったく論外です。安倍政権には退陣しかありません。


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