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2018年3月20日(火)

きょうの潮流

 「これが戦争犯罪でなければ、何だというのだ」。亡くなった英国の宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士がイラク戦争について語った言葉です▼2004年11月、開戦後に命を奪われた市民らの名前を読み上げるイベントがロンドンで開かれました。英紙ガーディアンによると、参加した同氏は「この戦争はウソに基づくものだ」と告発しました▼イラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」と決めつけた当時の米政権。15年前の3月20日、「イラクの大量破壊兵器保有」というウソでイラク侵略戦争を始めました▼「イラク:戦争のコストを考える」。米議会専門紙ザ・ヒル(13日電子版)にこんな見出しの論考が掲載されています。対テロ戦争の死者は35万人超、米国の戦費は5兆6千億ドル(約600兆円)に達し、「安価で容易な戦争などない」▼03年2月、地球を覆ったイラク反戦行動には空前の1千万人以上が参加。世界がともに叫んだ「戦争ノー」は開戦を食い止めることはできませんでしたが、「まだ対イラン戦争が起きていない理由の一つになっている」(米誌『ネーション』2月22日電子版、米政策研究所フィリス・ベニス氏)。米国を縛る力になっているという指摘です▼北朝鮮情勢をめぐり緊張が高まっていた中、米朝首脳会談の開催が発表に。「対話否定」「軍事力行使容認」の安倍政権は、この急展開に「置き去りを恐れる日本」(米紙ニューヨーク・タイムズ)と皮肉られる始末。世界の流れに気付かぬ姿は哀れです。


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