2014年6月10日(火)
再稼働は拙速で危険
鹿児島・薩摩川内 川内原発考えるシンポ
全国の原発再稼働の突破口に狙われる九州電力川内(せんだい)原発の再稼働を考えるシンポジウムが8日、同原発のある鹿児島県薩摩川内市で開かれました。主催は原発ゼロをめざす県民の会、県民主医療機関連合会、日本共産党県委員会。
会場は超満員の350人の熱気であふれ、「鹿児島でこんなシンポが開け、元気が出た」などのフロア発言も。同市の無所属市議や県内の反原発市民団体の人たち、同原発50キロメートル圏内の熊本県水俣市の市民らも参加。主催者は薩摩川内市のJAや医師会など約60団体に案内しました。
シンポで新潟大学の立石雅昭名誉教授(地質学)は、同原発付近の活断層の評価をめぐり、「九電は科学的調査方法を無視している」と批判。「南九州で火山の巨大噴火は近いという見解もある。九電は真剣に対応すべきだ」とのべました。
福島原発避難者訴訟原告団長で楢葉町宝鏡寺住職の早川篤雄さんは、家族が離散し、郷里に戻るか戻らないか悩んでいる避難者の現状を紹介。「再稼働を阻止するため、みなさんと力を合わせて頑張る」と語りました。
鹿児島国際大学の八木正准教授は、原発が「低コスト」というのは偽りであり、自然再生エネルギーこそ低コストで雇用効果も高いと指摘。「原発事故の被害額は甚大。絶対に事故を起こさないためには再稼働しないことだ」とのべました。
日本共産党の笠井亮衆院議員は、「大飯原発運転差し止めの画期的判決が出た。全国の反対世論に押され、電力会社や財界はあせってなりふり構わず再稼働を進めようとしている。原発への考え方の違いを超えて、こんな拙速で危険な再稼働はやめよという声を上げる時だ」と訴えました。