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2011年11月28日(月)

“賛成”を大量印刷

八ツ場ダム・意見公募

5963件中96%が同一文 手書き、住所氏名だけ

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 八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の建設の是非について、国土交通省関東地方整備局が住民から公募したパブリックコメント約5700件の内容が、全く同じ文言で同じ体裁の賛成意見だったことがわかりました。この賛成意見は、集まった意見全体の96%にのぼり、ダム推進派の大がかりな賛成“動員”と見られます。


 “動員”が判明したのは、国交省関東地方整備局が作成した八ツ場ダムの「検討報告書」へのパブリックコメント(意見公募)です。募集は10月6日から1カ月間行われ、5963件の意見が集まりました。

 同整備局が25日に公表した公募結果によると、このうち5739人の意見は、一字一句同じ内容の賛成意見でした。

 表題や意見は印刷されており、提出者の名前や住所を手書きで書き込む署名用紙のような形式になっています。職業欄に「市議」「議員」と書かれたものも複数ありました。ほとんどが埼玉県在住者から提出されたものとみられます。

 この意見は「他の選択肢はない。速やかにダム本体工事に着手し、計画通りに事業を完成すべきである」などと、建設推進を求めています。

 パブリックコメントに寄せられた反対意見は、書式や体裁がバラバラで、治水や利水、地すべりの危険性など、多様な論点で書かれています。

 パブリックコメントは、行政が政策や手続きの最終決定を行う際に住民の意見を反映する手続きです。

 今回、意見公募が行われた「検討報告書」の内容をめぐっては、日本共産党の塩川鉄也衆院議員が質問主意書を提出。塩川議員は、同整備局が想定する同ダム建設で得られる便益が過大で「信頼性に疑問がある」として、その根拠を示すよう求めています。

写真

(写真)八ツ場ダムのパブリックコメントで多数寄せられた同じ内容、同じ体裁の賛成意見。意見は印刷され、名前や住所を手書きで5人まで記入できる形式になっています(黒塗りは国交省関東地方整備局によるもの)


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