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2025年10月25日(土)

裏金・消費税 語らず

高市首相が所信表明

安保3文書改定前倒し 「アベノミクス」を復活

 高市早苗首相は24日、衆参両院の本会議で就任後初の所信表明演説を行いました。軍事費の国内総生産(GDP)比2%の今年度中の達成と、敵基地攻撃能力の保有など「戦争国家」づくりの指針となっている安保3文書(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」)の改定を2026年末までに前倒しすると表明。アメリカ言いなりの大軍拡推進、大企業優遇、社会保障削減を強調する一方で、自民党裏金事件や消費税減税については何も語りませんでした。(関連記事)


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(写真)所信表明演説をする高市早苗首相=24日、衆院本会議

 高市首相は、22年12月の安保3文書の策定以降、「新しい戦い方の顕在化」など安全保障環境が変化したなどと強調。安保3文書の26年中の改定に向けて「検討を開始する」と述べました。これを受け、防衛省は24日夕、「防衛力変革推進本部会議」を開催し、改定に着手しました。

 3文書で定めた27年度に軍事費をGDP比2%とする目標について、「補正予算と合わせて、今年度中に前倒して措置を講じる」と明言。目標を2年前倒しで実現するとしました。28日にも行う日米首脳会談で、同盟国に軍事費の大幅増額を要求しているトランプ米大統領への手土産とする考えです。

 経済では、「責任ある積極財政」と称して、AI(人工知能)や半導体、造船、航空・宇宙などの分野に対し「大胆な投資促進」などの「多角的な観点からの総合支援策を講ずる」とし、大企業支援を約束しました。「成長戦略」の加速には「金融の力が必要」だとして、「貯蓄から投資」への取り組みに基づいた金融に関する戦略策定の考えを説明。「世界の資本が流れ込む好循環を生み出す」と強調し、国内外の大資本や投資家、富裕層だけに恩恵をもたらした故・安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の復活を宣言しました。

 「OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直し」「病床の適正化」といった負担増や病床削減のメニューを並べ、社会保障切り捨ての姿勢を鮮明にしました。

 一方で、昨年の衆院選と今年の参院選で自民党が大敗した要因となった裏金事件に一言も触れず、「政治とカネ」問題の解決策も示さず、物価高対策ではガソリンの暫定税率廃止法案の成立などを挙げましたが、参院選で国民が求めた消費税減税には一切言及しませんでした。


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