2024年9月10日(火)
「赤旗」日曜版にJCJ大賞
自民党派閥の裏金スクープ
“日本の政治揺り動かした”
日本ジャーナリスト会議(JCJ)は9日、すぐれたジャーナリズム活動を表彰する今年度の第67回JCJ大賞に、「しんぶん赤旗」日曜版の「自民党派閥パーティー資金の『政治資金報告書不記載』報道と、引き続く政治資金、裏金問題に関する一連のキャンペーン」を選んだと発表しました。(関連記事)
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大賞とした理由について、「2023年から24年にかけての日本の政治を揺り動かした。公開されている膨大な政治資金報告書から、一つ一つを地道に積み上げ、検察の捜査にまでつなげ、それが大政治犯罪であることを明らかにした」「スケールの点では、1975年の『田中金脈』報道や、88年の『リクルート事件』報道を超えるものだった」と評価しています。
「しんぶん赤旗」日曜版の大賞受賞は、20年度の「安倍晋三首相の『桜を見る会』私物化スクープと一連の報道」(第63回)以来、4年ぶり。JCJ賞の入賞は、21年度の「菅首相学術会議人事介入スクープとキャンペーン」で「しんぶん赤旗」が受賞して以来、3年ぶりとなります。
第67回JCJ賞は、上丸洋一氏の「南京事件と新聞報道 記者たちは何を書き、何を書かなかったか」(朝日新聞出版)、後藤秀典氏の「東京電力の変節 最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃」(旬報社)、NHKスペシャル「“冤(えん)罪”の深層~警視庁公安部で何が~」「続・“冤罪”の深層~警視庁公安部・深まる闇~」(NHK総合テレビ)、SBCスペシャル「78年目の和解~サンダカン死の行進・遺族の軌跡」(SBC信越放送)の4点です。
視点と継続性
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この間、自民党が処分したのは安倍派幹部など39人だけ。二階俊博元幹事長は議員引退表明を理由に、処分すらありません。裏金事件の真相究明とは程遠い状況です。
神戸学院大学の上脇博之教授は日曜版スクープの意義についてこう指摘します。「日曜版には不記載が大問題だという視点があった。そして粘り強く継続的に報道したことは特筆すべきだ。他の報道機関は当初、『政治資金規正法違反は形式犯だ』という検察の視線で軽く見て大きくは報道しなかった。裏金事件の発端は、日曜版の素晴らしい報道だ」