2023年10月31日(火)
対話での解決求める
辺野古代執行訴訟即日結審
デニー知事訴え
![]() (写真)口頭弁論の直前、激励集会で決意表明するデニー知事=30日、那覇市 |
沖縄県名護市辺野古の新基地建設をめぐる軟弱地盤改良に伴う設計変更について、不承認を貫く玉城デニー知事から権限を奪い、国が承認する「代執行」に向けた訴訟の第1回口頭弁論が30日、福岡高裁那覇支部で開かれ、三浦隆志裁判長は国の求め通り即日結審しました。一方、判決期日は示されませんでした。裁判所前に駆けつけた市民からは憤りとともに、「知事を支えよう」との声が相次ぎました。(関連記事)
口頭弁論に出廷したデニー知事は意見陳述で、県として新基地建設問題を解決するための対話を求めてきたにもかかわらず、国が拒否し続けてきたとして、対話をせずに代執行をするのは認められないことなどを強調。裁判所に対し、「双方の対話によって解決の道を探ることこそが最善の方法であることを、県民の多くの民意に即した判断として示していただけるものと期待している」と訴えました。
訴訟の主な争点として県側は、(1)法令に違反するかどうか(2)その他の方法による是正は困難なのか(3)著しく公益を損なうことが明らかかどうか―を提起。国側は弁論で、可及的速やかに代執行の請求を認めるべきだと主張しました。
弁論後、県庁内で記者団の取材に応じたデニー知事は、即日結審となったものの、判決期日が示されなかったことにふれ、「裁判所もしっかり判決の内容について精査しようという考えなのではないか」と述べました。
またデニー知事は、今回の代執行訴訟について、国と地方が対等平等であることを保障するため、2000年以降に地方分権改革が行われてから初の司法判断であり、「大きな判断が示されるのではないか」との見方を示しました。
他方、仮に代執行で設計変更申請が承認されても、「(軟弱地盤の改良は)難工事が続く。環境に対する著しい変化が生じ、事前の想定の評価を超えた状態になれば、われわれとしても何らかの対応をせざるをえなくなるだろう。まったく見通せない工事になることは十分予想できる」との見方を示しました。









