しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2023年3月20日(月)

米英のイラク戦争20年

怒りと悔しさ今も抱え

地図

 【カイロ=秋山豊】米国がイラク侵略戦争を開始して20日で20年になります。イラクの人々は、家族の命を奪い国を壊した米国に対し、怒りと悔しさを今も抱いています。(関連記事)

 バグダッド在住の主婦アスマー・アルファラジさん(29)は、開戦当時9歳でした。「爆撃の音が聞こえていたが、何が起きているのかわからなかった。とても怖かった」と本紙の電話取材に語りました。

 彼女の兄弟とおじ、友人2人も戦争で命を奪われました。彼女は「米国の侵略で家族が殺されなかった家はない」と憤ります。

 米国は2003年3月20日、英国など「有志連合」を率いて開戦。武力の行使も武力による威嚇も禁止している国連憲章に反する先制攻撃でした。

 米軍はクウェートから侵攻し、4月9日に首都バグダッドを陥落させ、フセイン政権を打倒。ブッシュ米大統領は5月1日、大規模戦闘終結を宣言しました。

 米英は、フセイン政権が大量破壊兵器を隠し持っていると主張して開戦しましたが、政権打倒後も発見できませんでした。

 そして米軍占領下、混乱が続き、宗派対立も激化。過激組織ISの前身組織などが生まれます。ISは、11年の米軍撤退後にイラクの広い範囲を掌握するに至り、米軍が空爆で対応。米軍はいまでもイラク軍を訓練するとし、2000人~2500人を駐留させています。

 バグダッドに暮らすタクシー運転手、アーメド・アザジさん(39)は、「ブッシュは民主主義のための戦争だと言ったが、実際にやったのは殺りくと破壊だ」と怒ります。

 アザジさんの父は米軍の空爆で死亡しました。母はがんで亡くなりました。医療施設も戦争の被害を受け、医薬品もなく、まともな治療を受けられませんでした。

 アザジさんは「イラクは豊かな国だったが、米国が起こした戦争でその面影もなくなった。イラクを壊した全ての国に謝罪を求める。日本を含めて侵略を手助けした国もだ」と語りました。

 米軍は日本に置く基地からもイラクに出撃。日本の自衛隊も米兵を輸送するなど米軍を支援しました。


pageup