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2022年5月18日(水)

スウェーデン申請決定

NATO加盟 左翼党など反対

 【ベルリン=桑野白馬】スウェーデン政府は16日、ロシアによるウクライナ侵略を受け、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を申請することを決定し、リンデ外相は17日、加盟申請書に署名しました。スウェーデンは200年近く続いた中立・軍事同盟非加盟の外交方針を転換することになります。

 フィンランドは15日に加盟申請の方針を決定しており、同国のニーニスト大統領は17日からスウェーデンを訪問中。フィンランド議会での手続きが終われば、両国が同時に加盟申請を行う予定です。

 加盟問題をめぐる16日の議会審議で、各党が態度表明し、賛成が多数を占めました。アンデション首相は「広範な支持」が得られたとして「国家と国民にとって加盟は最善」との認識を示し「スウェーデンだけでなく、NATO全体の安全保障にも貢献できる」と述べました。

 審議では、左翼党と緑の党が反対を表明。左翼党のダドゴスタル党首は、「ウクライナへの緊急の援助は必要だが、スウェーデンのNATOへの加盟申請は緊急ではない」と指摘。「意思決定プロセスが非民主的」であり、加盟問題を国民投票で決めないのは「決定の正当性を掘り崩す」と述べました。

 3月の世論調査では加盟支持が51%と初めて過半数に達しました。しかし市民の間には中立政策を捨てることへの懸念も広がっています。15日に党大会を開いて、加盟支持に方針転換をした与党・社会民主労働党の本部前では、数百人規模の抗議行動が行われました。


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