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2022年4月30日(土)

新潟知事選 5月12日告示

片桐なおみ予定候補に聞く

原発 次世代に残さない

病床削減やめ医療拡充を

 新潟県知事選(5月12日告示・29日投票)で、幅広い層の市民と野党(日本共産党、社会民主党、新社会党、緑・にいがた)に推されて、片桐なおみ氏(72)=無所属新=が出馬します。脱原発運動の先頭に立ち、会社経営者の顔を持つ片桐氏に知事選へかける思いを聞きました。(山本健二)


写真

(写真)知事選への決意を語る片桐なおみ氏。後方は趣味で自身が制作した刺しゅう(伊藤誠撮影)

 立候補を決意したのは、ロシアによるウクライナ侵略の問題が大きかったですね。ウクライナの地下道で、戦火を逃れて泣いている子どもたちをテレビで見て衝撃を受けました。

 しかもプーチン大統領は「核兵器の先制使用も辞さない」などと威嚇しています。新潟県には、7基の原子炉を持つ世界最大出力の東京電力柏崎刈羽原子力発電所があります。

 戦争になれば、柏崎刈羽原発がターゲットにされてしまう。子や孫の次世代に原発を残してはならない。そのために、私たちの世代が責任ある対応をすべきだと考えています。知事選では、「原発のない安全・安心の新潟をつくる」と訴えて、争点にしたいですね。

 私が原発の運動に取り組むようになったのは、柏崎刈羽原発の誘致のときからです。

 柏崎刈羽原発の用地に、母親の友人の土地もありましてね。まだ砂丘地の頃に訪ねて、田んぼの水はコイが泳ぐほど澄んでいたのを覚えています。私たちは柏崎の浜や巻町(現在の新潟市西蒲=にしかん=区)に小屋を建てて、土日に学習会や東京電力への抗議などを行いました。

市民運動で撤回

 市民の反対を押し切り柏崎刈羽原発は着工されましたが、巻町の原発建設計画はやめさせたいと、子どもをおぶって集会に行き「原発ちょっと待って」と訴えました。私の家がある新潟市から、巻町は20キロ近く離れていましたが「巻原発は決して他人事ではありません」とビラを手書きし、新聞販売店にも頼んで近所に配布しました。

 巻町の皆さんの頑張りで、住民投票の結果、巻原発建設計画は1996年に撤回されました。

 「石油に代わるエネルギー」という原子力の宣伝や原発建設を前提にしたヒアリングなど、国や東電のやり方は、今も同じですね。

 現在、私は「新潟の新しい未来を考える会」の会長を務めています。県外も含め750人の会員がいて、脱原発の講演会などを開いています。10日に小泉純一郎元首相らを招いたリレートーク集会には、巻町の仲間も参加しました。「進次郎(元首相の次男・衆院議員)の応援もしたことがない」という小泉さんも私を支持すると表明してくださり、うれしかったですよ。

国言いなり現職

 再出馬する花角英世知事は、前回の知事選で福島原発の事故原因、健康・生活への影響、避難計画の「三つの検証」の結果が出るまで原発再稼働の議論はしないと公約して当選しました。しかし知事の在任中、検証を総括する県の委員会は1回しか開かれていません。

 花角知事は、原発に関しては国の方ばかり見ているように感じます。私は「国言いなりの知事」にはなりません。再稼働反対は、私の公約の「一丁目一番地」です。「三つの検証」の議論を徹底して行い、再生可能エネルギーを普及させる中で新しい雇用をつくり出したいと思います。

 私は、高校卒業後に父母がつくった建築会社に入社して50年間、経理の仕事を続けています。県の物品等入札監視委員も務めています。「民間の知恵」で県財政の無駄な支出を改めれば、賃金カットや増税をしなくても、財政を健全化させながら福祉や暮らしを充実させられます。

 3人の子育てをしながら働き、51歳のときに新潟大学に進学した経験も生かして、女性が子育てしながら働きやすい社会をつくりたいと思います。また、年を重ねた人たちも大学で学べるような環境を整備したいと思います。

 コロナ禍が続いているのに県立加茂・吉田病院を民営化するとか、県立津川・松代・柿崎・妙高病院を市町に移譲して、病床を大きく削減するなどもってのほかです。全国最下位クラスの医師数・看護師数を大幅に増やすことこそ求められています。

 農家に生まれ、田植えや稲刈りの経験もしてきました。新潟のおいしいお米、豊かな海の幸・山の幸を生かして、もっと農林水産業を振興させたい。戸別所得補償・価格保障などで新潟県農業を守ります。

 新潟県内の地域産業は、世界にも誇れるモノづくりの力を持っています。私は、中小・地域産業がもっともっと元気になるように、全力で応援します。

新潟で2連勝を

 17日の私の事務所開きでは、立憲民主党の西村智奈美幹事長、森ゆうこ参院議員があいさつしてくださいました。

 私の旧友でもある森さんは、知事選直後の参院選の新潟選挙区(改選数1)で市民と野党の共闘候補としてたたかう予定です。

 2連勝して、新潟県から日本の政治の流れを大きく変えられるよう、全力で頑張ります。

 片桐氏の略歴 1949年、新潟市秋葉区生まれ。新潟大学法学部卒。住宅メーカー「(株)イシカワ」副社長、1級建築士、新潟経済同友会副代表幹事、「新潟の新しい未来を考える会」会長など。著書にエッセー集『「ぜんぜんごー」住まい造り続けて…50歳からの生き方』


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