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2022年4月28日(木)

エネルギー使用合理化法等改定案

岩渕議員の質問(要旨)

参院本会議

 日本共産党の岩渕友議員が27日の参院本会議で行ったエネルギー使用合理化法等改定案の質問の要旨は次の通りです。


 IPCC=国連気候変動に関する政府間パネルは、産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑えるためには、遅くとも2025年までに各国の温室効果ガスの総排出量をピークにして、そこから減少に転じさせ大幅に削減する必要があるとする報告書を公表しました。削減対策なしで石炭火力発電を使い続ければ、1・5度目標は達成できないとしています。

 本法案では、「2030年度の野心的な温室効果ガス削減、石炭火力の脱炭素化を図る」とし、水素・アンモニアを「非化石エネルギー」と位置づけ、導入、活用を推進するとしています。しかし、COP26「グラスゴー気候合意」では、水素・アンモニアは排出削減措置に当たるとしていません。しかも、化石燃料を使用し、製造過程で大量に二酸化炭素(CO2)を大気中に放出する「グレー」アンモニアも「非化石」と位置づけています。これはまさに、石炭火力を使い続ける新たな仕組みづくりではありませんか。

 ロシアによるウクライナへの侵略をうけて世界的に生じているエネルギー危機は、化石燃料依存の脆弱(ぜいじゃく)性が表れたものです。政府は当面、化石燃料由来の輸入アンモニアに依存するとしており、将来にわたりエネルギーの海外依存を強めることになります。

 本法案は、「独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)」の業務に水素・アンモニア製造、二酸化炭素を回収し地層などに貯留するCCS地層探査等に関する出資・債務保証を追加するとしています。衆議院の審議で、JOGMECの繰り越し欠損金は2011年度以降、10年で20倍以上にあたる2800億円にも増大していることが明らかになりました。本法案で新たな業務が追加されることで、さらなる繰り越し欠損金を出すことになるのではありませんか。

 水素・アンモニア混焼、CCSは、CO2排出削減の2030年目標との整合性はなく、巨額な予算を投入するなど経済合理性も欠いています。

 電力の需給ひっ迫やエネルギー危機をうけて、原発再稼働、火力発電への投資を求める声が出ていますが、どちらも的外れな主張です。

 日本共産党は、原発ゼロの決断と石炭火力に固執するエネルギー政策を転換し、省エネと再生可能エネルギーを組み合わせて、2030年度までにCO2を最大6割削減することを提案しています。地球環境と未来への希望が持てる政治の実現が必要です。


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