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2022年4月27日(水)

ハンセン病差別 韓国での補償

「証拠探せ」は傷口に塩

日韓家族ら合同集会

 戦前、日本の植民地下でハンセン病隔離政策により差別を受けた韓国の患者家族が、補償法に基づき日本政府に補償を請求して1年がたった26日、日本と韓国で合同報告集会が開かれました。主催は両国の弁護団や当事者ら。オンラインで会場をつなぎ、隔離政策による被害の実態や補償法の課題を出し合いました。


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(写真)「安心して暮らせる社会をつくろう」と呼びかける黄さん=26日、国会内

 ハンセン病被害者家族らが国家賠償請求訴訟を起こし、熊本地裁は勝訴判決を出しました。それを受け、患者の家族に対する補償法が2019年に成立。日本の植民地下で隔離政策が及んだ国の家族も対象になりましたが、韓国の対象請求は130人にとどまっているうえ、認定者はわずか10人のみです。

 日本弁護団の徳田靖之共同代表は、「日本統治時代の誤った政策による被害の回復が図られることは、両国間のさまざまな問題を解決していくうえで大きな意味をもつ」と述べました。

 家族補償を請求した韓国の姜善奉(カン・ソンボン)さんは、父と母がハンセン病だったという事実を証明することは、「太平洋で針を探すほど大変な作業だった」と強調。差別をされぬよう徹底的に病気を隠さなければいけなかったにもかかわらず、「『証拠を探せ』というのは、傷口に塩を塗るのと同じ」だとし、差別を受け、苦しめられた事実を認めてほしいと訴えました。

 家族訴訟原告団副団長の黄光男(ファン・クァンナム)さんは、請求数が少ない理由について、「もし家族だということが知れわたってしまったら、かつてと同じように差別をされるのではないか、と危惧をしている」と指摘。すべての被害者が、補償を請求できるような、差別がなく安心して暮らせる社会をつくろうと呼びかけました。

 日本共産党の宮本徹衆院議員と与野党の国会議員が参加し、あいさつしました。


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