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2022年4月27日(水)

物価高 3%増税並み

苦境緩和 消費税減税こそ

 大増税にも等しい負担をもたらす急激な物価高が暮らしと事業を襲っています。ところが政府がようやく出してきた緊急経済対策は規模も内容も国民の苦境に応えるものになっていません。消費税減税をはじめとした本気の対策が必要です。


グラフ

 灯油30・6%増、都市ガス25・3%増、輸入牛肉10・4%増…。3月の消費者物価指数は生活必需品が前年同月に比べすさまじく値上がりしていることを明るみに出しました。

 3月の消費者物価指数は生鮮食品を除く総合指数で前年同月比0・8%の上昇と報じられましたが、国民の実感には到底あっていません。生活実感に近い持ち家の帰属家賃を除く総合指数は同1・5%増。これには携帯電話料金の値下げによる寄与度マイナス1・4ポイントが含まれるので、実際には3%程度の物価高が国民生活を襲っています。消費税3%引き上げと同じくらいの負担増になっているのです。

 しかも食品やエネルギーなど生活必需品の値上げが目立ちます。民間信用調査会社の帝国データバンクが、上場主要食品メーカー105社の2022年以降の価格改定計画(実施済み含む)を調査したところ、累計で6167品目の値上げが明らかになりました。平均値上げ幅は11%です。また原油の値上げはガソリンや灯油、電気、運輸など生活のありとあらゆる場面の値上げにつながります。

 これだけ多くの分野で物価が上がっている以上、消費に対する深刻な影響を緩和するには、すべての値段を一挙に下げる消費税の減税を行うしかありません。コロナ禍のもとで世界84の国・地域で消費税(付加価値税)の減税が行われています。日本共産党は5%への減税を求めています。

政府緊急経済対策

規模も内容も危機に対応できず

「やさしく強い経済」に転換を

 今回の政府の緊急経済対策は、4月に期限切れとなる石油元売り業者を対象とした補助金の9月末までの延長・拡充などが中心です。低所得の子育て世帯を対象とした児童1人当たり5万円の給付は盛り込んだものの、これまでも繰り返してきた各種支援措置の延長や対症療法がほとんどで、危機の深刻化に対応できる規模と内容とは到底言えません。

財政民主主義破壊する暴挙

 しかも、2・7兆円を計上する補正予算の中身は、石油元売り業者への補助金のための費用と、各種対策の当面の財源に充てる1・5兆円の予備費をあらためて補充し、当初の予備費の水準(5・5兆円)に戻すという内容。さらに、このうちコロナ対策予備費(5兆円)の使途を原油高と物価高にも拡大するといいます。

 国会審議をへずに政府の判断で支出できる予備費を積み増したうえ、これまでコロナ対策に限っていた使途を広げようというのです。政府は近年、災害など不測の事態に備えて5000億円程度の予備費を計上してきましたが、2020年度の第2次補正で10兆円を計上するなどコロナ対策を口実に膨張。異常な予備費の計上は、国会が予算を決める財政民主主義を破壊する暴挙と言わざるをえません。

 日本共産党が緊急経済対策などで求めているように、生活困窮者に対する手厚い給付金など、国民生活を守るために必要な対策の項目を示したまともな補正予算案の提出が必要です。なによりも消費税はただちに5%に引き下げるべきです。年金減額や75歳以上の医療費窓口負担増を止めるとともに、学校給食費の無償化などを進めるべきです。大企業への内部留保課税を新設して税収増をはかるとともに、賃金引き上げに誘導するなど、国民生活を守る緊急対策を本気で進める必要があります。

責任免れない自公政権失政

 いまの深刻な物価高騰の原因は、新型コロナやウクライナ侵略だけにあるのではありません。アベノミクスが始めた日銀の「異次元の金融緩和」政策で極端な円安と輸入価格の上昇を招いた自公政権の失政が問われなければなりません。

 日本経済を根本的に立て直すためには、新自由主義を転換して「冷たく弱い経済」から「やさしく強い経済」に大転換させる必要があります。

 日本共産党は、(1)政治の責任で「賃金があがる国」にする、(2)社会保障と教育予算を経済力にふさわしく充実させる、(3)富裕層・大企業に応分の負担を求め消費税を5%に減税する、(4)気候危機打開に本気で取り組む、(5)ジェンダー平等の視点を貫く―の「五つの大改革」を提案しています。


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