2022年3月30日(水)
ウクライナ侵略 国連憲章違反を強調
参院委・井上氏に参考人が陳述
 （写真）質問する井上哲士議員＝29日、参院外防委 |
参院外交防衛委員会は２９日、ロシアによるウクライナ侵略について参考人質疑を行いました。日本共産党の井上哲士議員が質問に立ちました。
井上氏は、ロシアによる侵略は国連憲章に基づく国際秩序への挑戦であり、「『西側諸国対プーチン』という言い方もあるが、『国際社会対プーチン』ではないか」と述べ、国連や日本の果たすべき役割を質問しました。
河東哲夫（あきお）元駐ロシア大使館特命全権公使は「国連憲章違反だ。ロシアはソ連時代に国連をつくった幹事国で、幹事が会員に暴力を振るうのは成り立たない」と指摘した上で、「ロシアがいない新しい国連をつくるのではなく、国連の改革が必要だ」と強調。鶴岡路人（みちと）慶応大准教授は「侵略は国際社会全体への挑戦で、この原則は強調してもし過ぎることはない」と語りました。
井上氏は、プーチン大統領が「ウクライナ人は同じ民族」と言いながら民間人を殺害していることについて、ウクライナ人の国際政治学者グレンコ・アンドリー氏に質問。同氏は、プーチン氏は今まで多くの戦争でロシア人を死に追いやっており、「ロシア人でも他の民族でも一般人の命は価値がないという独裁的な考え方」だと強調しました。
井上氏は、ロシアが「北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の脅威への抵抗」やウクライナ政権の「非ナチ化」を名目に侵略していることについてただしたのに対し、鶴岡氏は「どんな問題を国内で抱えていても侵略していいことにはならない」と述べました。
