しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年3月10日(木)

クローズアップ

じっくり教育・研究できる大学へ 新自由主義的政策打開へ交流

愛知 大学教職員・研究者党後援会が集会 畑野・すやま氏ら参加

 愛知県大学教職員・研究者日本共産党後援会(愛知県学研サポートの会)がオンラインで大学問題を考える集会(5日)を開き、研究力の低下や高学費の背景にある自公政権の新自由主義的政策をどのように打開していくか交流しました。(玉田文子)


写真

(写真)講演する畑野氏

写真

(写真)講演する中嶋氏

写真

(写真)決意を述べる、すやま氏

 党学術・文化委員会副責任者の畑野君枝前衆院議員、名古屋大学名誉教授の中嶋哲彦氏が講演。党の参院選挙区予定候補の、すやま初美氏が決意を表明しました。

 畑野氏は冒頭、大学の学長など40を超える学術団体がロシアのウクライナ侵略を批判する声明を発表していることに敬意を表明。

私費負担の影響

 大学問題については、日本の高等教育への支出(GDP比)が経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国で最下位だと指摘。自公政権が「受益者負担主義」を教育に持ち込み、各大学の学費値上げを誘導した結果、高等教育の私費負担はOECD加盟国平均の2・25倍だと批判しました。

 畑野氏は、私費負担が重いことが、家庭の年収による大学進学率の格差や少子化、人口減少の原因になっていると指摘。経済力にふさわしく高等教育予算を拡充し、公費負担で学費を半減化させることは国民的な課題だと訴えました。削減されてきた大学の基盤的経費(国立大学運営費交付金、私大補助)を回復させて、学業や研究に専念できる環境をつくる必要性を強調しました。

政治動かす共闘

 畑野氏は、共産党の躍進が切り開いた市民と野党の共闘が政治を動かし、基盤的経費の連続削減ストップや大学入試改革の阻止、少人数学級の実現、コロナ禍の学生支援拡充、給付型奨学金制度の創設などにつながったと報告。新自由主義的政策を転換し、学問の自由と大学の自治を尊重するルールの確立へ、共産党を伸ばしてほしいと呼びかけました。

 中嶋氏は、若者一人ひとりの人格形成を支えるはずの高等教育が、自公政権によって産業や経済に従属させられ「人材育成」の手段にされていると指摘。「経済・産業の国際競争力強化に役立つ大学づくり」として、「選択と集中」の資源配分や、大学構成員による大学自治の否定が行われていると告発しました。

 岸田政権が10兆円の大学ファンド(基金)を創設し、「卓越研究大学」をつくる「大学改革」を進めていることについて中嶋氏は、「選択と集中」で資金が集まっている一部の大学に資金を投じるもので、大学間格差を一層拡大させる危険があると訴えました。

自治崩壊を危ぐ

 参加者からは、「政府が進める『研究と経営の分離』によって学外者が大学の意思決定機関に半数以上入るというのは考えられない。大学自治の崩壊だ」「大学の経営難のつけが学費値上げや教員の待遇改悪になって表れている。教員は有期雇用が増え、研究費は10分の1まで減らされた。改善を求めてたたかっている」などの発言が出されました。

 すやま氏は、学生と共に食料支援や支援の拡充を求める政府要請、無料塾の活動を広げてきたことを紹介。「学生の学びを保障しようとたたかう大学人のみなさんの姿に触れ、一緒に力を合わせて状況を変えていきたいと思った」と述べ、参院選で議席獲得に挑む決意を訴えました。

 県学研サポートの会事務局は「複雑な課題の中で、みなさんと一緒に議論し、公論の力で民主主義を手繰り寄せ、大学人としての理性ある活動を愛知から、さらに発信していきたい」と話しました。


pageup