しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年3月5日(土)

姉の死 真相知りたい

ウィシュマさん遺族提訴

「意図的に医療から放置」

名古屋地裁

 名古屋出入国在留管理局で昨年3月、スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が収容中に亡くなった問題で、遺族が4日、一周忌を前に、国に損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に起こしました。


写真

(写真)ウィシュマさんの遺影を横に置き、会見する妹のポールニマさん=4日、名古屋市

 訴状では違法な収容継続で健康を害し死亡に至らせたこと、必要な医療を提供せず死亡に至らせたことが違法行為に当たるとして、国に約1億5600万円の支払いを求めています。

 ウィシュマさんは2020年8月から入管に収容され、収容が長引く中で体調が悪化し、昨年3月6日に死亡。入管庁は同年8月に死因さえ特定せず名古屋入管の対応を正当化する内容の最終報告書を公表しています。

 名古屋市内で会見した妹のポールニマさん(27)は「姉が亡くなって1年がたつが、いまだに真相究明がされていない。悲しい気持ちでいっぱいです。なぜ体調が悪化するまで放置し収容を続けたのか、疑問だし、真相を知りたい」と話しました。

 弁護団の児玉晃一弁護士は、「入管の医療の目的は収容・強制送還に耐えられる健康状態を維持することにあり、完治までいかない。そこを改めないとこの状況が続いていく」と強調しました。

 指宿昭一弁護士は、「入管の医療体制の不備で亡くなったのではない」と指摘。入管は帰国を促すため意図的に医療を受けさせず放置したと述べ、裁判で責任の所在を明らかにし、二度と同じような事件が起こらないようにさせたいと話しました。


pageup