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2022年2月25日(金)

権力乱用の危険増大

オンライン審議めぐり参考人

衆院憲法審

写真

(写真)衆院憲法審査会での参考人質疑=24日

 衆院憲法審査会は24日、国会での「オンライン審議」に関し、憲法56条で定める「両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない」との規定について、高橋和之・東大名誉教授と只野雅人・一橋大学大学院教授に対する参考人質疑を行いました。高橋氏は、オンライン審議は憲法の趣旨に反すると述べました。

 高橋氏は「憲法56条は『ルール』を定めた規定であり厳格な解釈適用が要請される」と主張。この規定は「少数者を保護し、権力の乱用を防止するためのものだ」と指摘し、「柔軟な解釈で拡張すること」は避けるべきだと発言しました。その上で、「憲法は政治権力の行使を統制するものであり、権力行使の便宜のために統制を外すのは、憲法の趣旨に反する考え方だ」と強調し、「権力行使の要件を緩めれば、乱用の危険が増大する」と述べました。

 只野氏は「一定の条件のもと、やむを得ない事情があれば、議場外からの参加も可能」と述べる一方で、「どういう条件で憲法上可能なのかは、確認する必要がある」との考えを示しました。

 自民党などが、首都直下型地震や新たな感染症など緊急事態への備えとして、オンライン出席を可能にする規定の必要性を質問。高橋氏は「極端な事例を出せば、権限をどこかに大幅に委譲する以外の解決方法はなくなってしまう」「1人に権限を集中するしかなくなる」と指摘し、「間違える危険が高い」と述べました。

 日本共産党の赤嶺政賢議員は、自民党の新藤義孝議員が幹事会で「オンライン審議」に対する方向性を整理するとの考えを示したことについて、反対を表明。「この間、憲法56条の解釈を確定し、オンライン審議実施のための制度設計を急ぐべきだという発言が繰り返されている。憲法審で個々の条文の解釈を確定していくというやり方は非常に問題だ」と指摘しました。


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